南阿蘇村は熊本県北東部、阿蘇カルデラの南に位置する村です。
平成28年熊本地震から約半年が経過し、被害を受けた南阿蘇村は復興に向けて歩み始めています。
さとふるでは、「平成28年熊本地震災害緊急支援募金」を立ち上げ、多くの方からのご支援を南阿蘇村へお届けしました。皆さまからのご支援に深く御礼申し上げます。このたびご支援くださったみなさまへ、南阿蘇村の現状から復興に向けた今後の計画についてご報告いたします。
平成28年熊本地震による南阿蘇村の被害
南阿蘇村では、平成28年熊本地震による激しい揺れで家屋が倒壊または損壊する被害が発生しました。山斜面の崩壊なども発生し、多数の世帯が半壊以上の被害を受けました。
また、6月には集中豪雨により地震で緩んだ山からの土石流が発生し、住宅、道路、農地が被害を受けました。
南阿蘇村は旧長陽村、旧白水村、旧久木野村の3村が合併してできた村ですが、この中でも、旧長陽村の被害は特に大きく、阿蘇大橋の崩落や住宅を巻き込んだ大規模な地すべりや東海大学阿蘇キャンパスの学生が暮らすアパートなどのニュースが大きく取り上げられました。
阿蘇大橋の崩落によって立野地区全域が村中心部と分断され、地震発生直後は物資も届けられない状態となりました。現在も、従来の行政サービスの提供や子どもの通学、阿蘇立野病院の閉鎖など住民の方々の生活に多大な影響が生じています。
また、阿蘇大橋とともに立野水源から配水池までの導水管が崩落し、立野全域が今なお断水状態となっています。そのため、立野地区の住民は村外への避難を余儀なくされています。(11月24日現在)
▲立野周辺 崩落した阿蘇大橋
▲寸断された阿蘇長陽大橋
▲阿蘇長陽大橋の隆起した道路
▲道路が隆起している立野地区
▲土砂崩れによる被害を受けた長野地区の住宅街
▲土砂崩れによる被害を受けた高野台地区の住宅街
「平成28年熊本地震災害緊急支援募金」サイト開設の経緯
さとふるでは、4月16日に発生した平成28年熊本地震の本震を受け、即時に支援を決定。
すぐに準備に取りかかり、翌17日午前0時には「平成28年熊本地震災害緊急支援募金」サイトを開設しました。
「平成28年熊本地震災害緊急支援募金」サイトでは、ふるさと納税制度の枠組みで、被災地域に寄付金を送ることができます。寄付を申し込むと、寄付金の全額が対象自治体に納められます。
2016年4月17日から、震災発生から半年後の10月14日にかけて、この緊急支援募金サイトを通じて集まった南阿蘇村への寄付総額は188,754,813円となりました。皆さまからいただいた寄付の全額を熊本県南阿蘇村に送金しています。
南阿蘇村の一般会計予算
ふるさと納税による南阿蘇村への寄付金額は震災発生から半年後の10月14日までに3億円程度。それに対して、歳出は当初予算の約73億円から、10月の補正予算で約211億円に膨らみました。
震災による大幅な財政悪化は避けられません。復旧・復興のため今後とも皆さまのお力添えが必要です。
【南阿蘇村からの報告】復興計画、寄付金の活用状況
寄付金の活用状況
皆さまからの寄付は、特に地震により人的被害又は家屋の被害を受けられた方に対し災害見舞金として支給されました。また、大規模な地すべりにより流出・破損した配水池への送水管の修繕工事費として活用しました。
復興計画
復興施策の緊急性や対応の方向などを踏まえ、復旧期(3年)・再生期(5年)・発展期(10年)に区分し、各種施策に取り組みます。
- ■復旧期(3年)
生活再建や被災した住宅や道路・橋梁などのインフラの復旧などを目指す期間として設定 - ■再生期(5年)
復旧期と連動し、残りの作業を進め本格復旧に努めるとともに、復旧したインフラや生活基盤をもとに震災以前の活力を回復する期間として設定 - ■発展期(10年)
長期的なビジョンに立ったまちづくりを展開し、住民と行政との協働により、南阿蘇村の発展に向けた地域の活力を高め、目標である「安心して楽しく豊に暮らせるむら 南阿蘇」を実現していく期間として設定
1. 村民活動復旧・復興の方針
被災者および村民が一刻でも早く安心して暮らすことができる環境への復旧を急ぐため、当面、次の事項にスピード感を持って、総力をあげて取り組みます。
- (1)安全で衛生的な住まいの提供と生活再建の支援
- (2)災害救助法ほか福祉施策の早期実施
- (3)避難所・仮設住宅の運営と環境の整備
- (4)道路確保、ライフラインの早期復旧、排水対策など
- (5)がれきの撤去、震災ごみ関係
- (6)教育施設の復旧
- (7)災害相談窓口設置、り災証明書発行などの生活支援
2. 土地復旧に関する方針
国道57号線、阿蘇大橋、水道、土砂災害復旧工事などの工事の進捗、あるいは方針が定められるまでの間、土地の復旧の方向性を示すことは困難な状況です。
今後、地域住民と村、国、県などで地域の復興について具体的な事業手法を検討し、本年度に策定予定の「南阿蘇村復興計画」で土地復旧の方向性について決定します。
なお、今回の震災において、壊滅的な被害を受けた地域については、コミュニティの維持に配慮した集団的な移転措置、安全な土地への公共施設整備や住宅地の造成なども含めて検討し、国・県の復興方針と整合性を図るものとします。
3. 経済復興に関する方針
地域経済の一日も早い再生、産業の建て直しが急務と捉えています。
農地・農業施設の復旧や被災農家への各種支援措置を国・県など関係機関と協働して行い、商工観光業、農業など産業の復旧・復興と、安定した雇用を実現していきます。「阿蘇」の輝きを取り戻し、「創造的復興」を果たすために、逆境をチャンスに変える逆転の発想をもって、地域再生に取り組んでいきます。
▲平成29年夏の復旧を目指す阿蘇長陽大橋
▲急な斜面での作業が必要な国道57号線
▲俵山トンネル復旧作業
南阿蘇村 ふるさと納税のお礼品
南阿蘇村では雄大な山と緑、「日本名水百選」に選定されている白川水源などの豊かな自然環境でに育まれた魅力的なお礼品をご用意しています。お礼品を受け取ることで、村内事業者さまへの支援にもなります。引き続き、南阿蘇村へのあたたかなご支援をお願いいたします。