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地域団体商標事例紹介 和倉温泉

かわいいわくたまくんと出会えるかも!能登半島「和倉温泉」

商標:
和倉温泉 商標登録 第5019121号

緑地ひろば(わくたまくんパーク)では、わくたまくんと記念撮影ができます

1. 権利者の紹介

  • 権利者名:和倉温泉旅舘協同組合
  • 住所:石川県七尾市和倉町弐部13番地の1

2. 地域団体商標及び使用する商品・役務の内容

  • 地域団体商標名:和倉温泉(わくらおんせん)
  • 商標登録番号:第5019121号
  • 指定商品又は役務:石川県七尾市和倉町・奥原町・石崎町における温泉浴場施設を有する宿泊施設の提供、石川県七尾市和倉町・奥原町・石崎町における温泉浴場施設の提供

3. 地域団体商標出願に向けての取り組み

(1)従来におけるブランド保護の取り組み

石川県の能登半島に位置する「和倉温泉」は、能登観光の玄関口です。

七尾西湾に面して穏やかに弧を描くように、北に「ツインブリッジのと」、能登島を挟み、東に「能登島大橋」と、海岸沿いに旅館が建ち並ぶため美しい展望が眺められる、情緒豊かな海辺の温泉です。

「和倉温泉」の歴史は、今から1200年ほど前、大同年間の温泉湧出にはじまり、時代を経た永承年間に漁師夫婦が湯気立つ海で白鷺が身を癒しているのを見て、“湯の湧き出づる浦”涌浦(わくら)と命名されました。延宝2年加賀藩の命により、“涌浦”は書き文字を間違えやすい事から、現在の“和倉”に地名を改めています。

「和倉温泉」は歴史ある温泉郷であり、地元の方とも地域一帯・地域密接な関係を保ちながら、長年地域のブランドとして根付いております。

従来におけるブランド保護の取り組み

(2)地域団体商標出願の動機

和倉温泉旅舘協同組合は石川県中小企業団体中央会に加盟しており、制度導入前に、中央会より「地域のブランドの確立・ブランドの育成が可能であるため申請してみませんか」と薦めて頂き、弁理士を専門家として派遣していただきました。

「和倉温泉」の地域範囲は、和倉温泉旅舘協同組合の定款にも定められている「石川県七尾市和倉町・奥原町・石崎町」となります。このエリア以外で「和倉温泉」を名乗る経営者(第三者)の抑止及び「和倉温泉」の暖簾を守るため、さらに全国に「和倉温泉」をPRするために商標権を取得しようと考えました。

地域団体商標出願の動機

(3)地域団体商標出願の準備

地域団体商標として要件を満たす「一定の周知性」を証明するため、「和倉温泉散歩マップ」「わくらづくし」「Wakuran[ワクラン]」などのパンフレット、イベントのポスター、告知チラシ、新聞記事、パブリックで掲載されている情報など、県内はもとより県外にも広く周知している資料を集約し、特許庁に申請しました。

地域団体商標出願の準備

4. 地域団体商標の権利取得後のブランド管理及びブランド展開

(1)ブランド管理及び商品・役務の品質管理(管理手法・体制等)

サービスの基準、品質の基準は、特に設けておりません。

温泉旅舘協同組合ですので、組合ではサービスのレベル等の規約は設けておりませんが、各旅館が過去から培われてきた経験等で、品位や接待など、責任を持っておもてなしをしていく姿勢です。組合の会議も月に1回行われており、その会議の場でお客様の声や組合からの意見を集約し、その都度提起された問題を解決し、情報の共有をしていくといった方法をとっています。

ただし、サービス等の基準の必要性は感じています。地域ブランドの保護・育成を前提に、地域団体商標「和倉温泉」の使用に関する規程・規約等も考慮した規定等設けることが、今後の検討課題です。

和倉の歴史や魅力をお客様に お伝えしている「わくら湯ばんと」

(2)ブランド展開

現在は集約人数をできるだけ伸ばすよう、またイベントを行い「和倉温泉」に足を運んでいただくよう、さらには若い世代にアピールしていくために、キャラクターの「和倉温泉わくたまくん」とコラボした形でイベントを行っています。1月には「和倉温泉冬花火&海鮮まるごと大鍋とうまいもん市」、3月には和倉温泉を拠点に「能登和倉万葉の里マラソン」、6月には平成9年から開催している 「能登よさこい祭り」、7月には和倉温泉わくわくプラザで行われる「わくわく夏まつり」、8月には「和倉温泉夏花火」や「和倉温泉太鼓打競技大会」など、その他にも季節に応じてイベントを盛りだくさん開催しております。

また期間限定ですが、「和倉温泉スイーツめぐり」や、「和倉温泉ほろよいめぐり」など、和倉温泉街を楽しめる企画もあります。

「和倉温泉」には、「湯元の広場」「弁天崎源泉公園」と、温泉たまごを作れる場所が2箇所あり、ちょっとした「和倉温泉」の名所となっています。

わくわく夏まつり、和倉温泉花火大会、「和倉温泉スイーツめぐり」のポスター

5. 地域団体商標権利取得後の効果

施設利用者の人数は、平成24年度では80万人台、平成25年度では90万人台です。日本国内だけではなく外国人観光客は約2万人、リピーターや隣接する都道府県以外、三大都市圏からも多くの観光客が訪れます。

2011年6月に石川県能登半島に広がる「能登の里山里海」が、日本で初めて「世界農業遺産」に認定されました。和倉は七尾湾に面しているため海の幸も豊富で、新鮮な能登の食材として山の幸も豊富なため、「和倉温泉」のイメージと一体した「食」をテーマにPRできるよう、企画を進めています。

「和倉温泉」の地域ブランドは、組合構成員や地域の住民も含め、これからもそして未来まで存続していくという高い意識を持ち続けています。今後は120万人の利用者数を目指して、魅力ある「和倉温泉」として、志を高く持って活動していきたいと考えています。

地域団体商標権利取得後の効果

6. 今後地域団体商標を出願する者に対してのアドバイス

中央会からの支援もあり、商標の権利として地域団体商標「和倉温泉」を取得しましたが、もっと広く「和倉温泉」ブランドを知っていただくために、1つの“きっかけ”として「キャラクター+「和倉温泉」+「わくたまくん」」のロゴマークで通常の商標権を取得しました。この2つの商標を掲げ、全国に「和倉温泉」をアピールできていることが、現在の認知度や経済効果をもたらした背景であると、非常に感じています。

地域団体商標「和倉温泉」は、権利を持つ和倉温泉旅舘協同組合だけで使用するのではなく、地域と一緒になって、また地域を越えた範囲でも“高級ブランド”として扱うことが大切だと考えています。

今後地域団体商標の出願を予定されているみなさまは、地域ブランドという高い意識を持って、権利取得に向けて検討していただくことが、とても大切だと思います。

イベントでは、キャラクターの 「和倉温泉わくたまくん」とコラボでPR!
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