奈良県吉野郡川上村。
吉野川の源流に位置するこの地で、室町時代から600年以上にわたり続いてきた祈りの儀式があります。
それが、「御朝拝式(おちょうはいしき)」です。
御朝拝式は、南北朝時代の後期、南朝方最後の天皇・後亀山天皇の皇子であり、若くして敵方に討たれた自天親王(じてんしんのう)を慰霊するために始まりました。
享徳7年(1458年)から途絶えることなく受け継がれ、令和8年で第579回を数えます。
現在も、金剛寺の境内において、村を代表する「出仕人(しゅっしにん)」が裃姿で参進し、
国指定重要文化財である「縹絲威筋兜(はなだいとおどしすじかぶと)」をお祀りして追慕の念にて執り行われる、厳かな儀式です。
この兜は、自天親王の御遺品として伝わるものであり、村民にとって心のよりどころです。

このプロジェクトでは、御朝拝式の用具修繕と正装による執行費用の一部を、皆さまのご支援で整えます。
修繕内容は以下の通りです。
(1)厨子(兜を置く飾り台:江戸時代作成)の修繕　500,000円
(2)朝賀の儀御簾の修繕　90,000円
(3)式典会場の幔幕修繕　90,000円
(4)式典会場の幔幕組紐の更新　10,000円
(5)式場施設(朝拝殿)屋根の改修　80,000円
(6)正装着物の借用費・維持費(年)　500,000円
(7)儀式用番傘26本の修繕　1,860,000円
(8)儀式用提灯2張の修繕　90,000円
合計　3,220,000円
この内、早期の対策が必要な(1)(2)(4)(6)の1,100,000円についてご支援をお願いします。

御朝拝式は、派手な祭りではありません。雪の残る早朝、静寂の中で村人が祈りを捧げる――それが600年の時を超えて守られてきた姿です。
この儀式には、かつて自天親王を匿い、守り抜いた人々の想いが今も息づいています。

皆さまからのご支援によって修繕された用具が、今後の式典で実際に使用され、伝統を継いで行くことができます。
ご協力お願いいたします。

(1)厨子:国指定重要文化財「縹絲威筋兜」を置く飾り台の修繕(彫刻の修繕、接着部分の色合わせ)を行います。
(2)朝賀の儀御簾の修繕:御簾を更新するために同等品を購入します。
(4)式典会場の幔幕組紐:が劣化により破損しているので、更新のため同等品を購入します。
(6)正装着物の借用費・維持費(年):正装での挙行のため、着物を借用して第569回御朝拝式(2027年2月)を執り行います。また、それ以外の保有している装束のカビ・シミ対策としてクリーニングを行います。

御朝拝式は、川上村の精神そのものです。先人の祈りと共に生き、次代へと受け継ぐことが、今を生きる私たちの使命だと考えています。皆さまのご支援を力に、この祈りの伝統を未来へとつなげてまいります。
川上村教育委員会・川上村朝拝式保存会