白山市は、白山手取川ユネスコ世界ジオパークと白山ユネスコエコパークという、二つの国際的な認定が重なる、稀有な地域です。
日本三名山に数えられる「白山」から、一級河川「手取川」を経て、「日本海」に至る中で繰り返される「水の循環」が多種多様な地質・地形、自然、生物、文化、産業を育んできました。こうした自然の恵みは、地域で暮らす人々の営みとともに、教育や観光の資源として、次世代に継承すべき大切な財産です。

かつて「暴れ川」と呼ばれた手取川によってつくられた扇状地は、旧河川跡を利用した用水が張り巡らされ、県内屈指の穀倉地帯を形成しています。
田植え時期には、豊かな雪解け水が水田を潤し、水鏡が空を映す鮮やかな光景が広がります。

この米どころ・白山市で、農業生産時の環境負荷を軽減し、地域全体で有機農業の生産から消費までを推進する取り組みに挑戦しています。

白山市では、従来より、化学農薬や化学肥料の削減や堆肥の施用による大気中へのCO2排出量の削減など、農業生産時の環境負荷軽減に力を入れてきました。
石川県全体でも、令和5年に、県内の19市町が共同で「石川県環境負荷低減事業活動の促進に関する基本方針」を策定し、県全体で取り組みを進めています。その流れの中で、令和6年12月に、県内で初めて白山市の松任地区・鶴来地区がモデル地区に選定され、有機農作物の学校給食、自動運転など先端技術を活用した取り組みを進めることとなりました。

特別栽培米は、農薬や化学肥料の使用を50%以上削減して栽培されたお米で、白山市農林水産物ブランドとして「比よう※の米」「千代の里」の2種類が認定されています。
(※ようは口へんに羊)
白山市では、豊かな自然とその恩恵を次の世代へ継承してくため、「読育」「食育」「ジオ育」の「はくさん3育」を教育の重点にすえ、さまざまな取り組みを進めています。
白山市の基幹産業である農業への理解を深めてもらおうと、市とJAが連携し給食に通常等級より上の1等米を提供するなど、子どもたちにおいしいお米を届ける取り組みを行っています。加えて、学校給食週間にあわせて、特別栽培米を給食に取り入れることで、子どもたちが食を通じて、環境に配慮した農業を身近に感じ、理解を深める機会にしたいと考えています。
またこうした取り組みを通じて、特別栽培米など環境に配慮した栽培で生産されたお米の需要拡大にもつながると期待しています。

現在の豊かな自然や、そこから得られる恩恵も、その価値を理解し活用するとともに保全に努めなければ、失われてしまいます。
特別栽培米をはじめとする環境負荷軽減を目的とした農産物の生産は、持続可能な農業や子どもたちへの食育といった面で、SDGsの社会経済、環境の側面への効果が期待されます。
白山市は、地域全体で有機農業の生産から消費までを推進する「オーガニックビレッジ」の令和7年度内の実現を目標に掲げ、発信を進めています。

寄附いただいたお金は、白山市で栽培された特別栽培米の、市内28小中学校で必要数88俵(5,280kg)の購入費用にあてさせていただきます。

このたびは、白山市の特別栽培米の学校給食導入プロジェクトに、ご興味を持っていただき、ありがとうございます。
白山市は、白山手取川ユネスコ世界ジオパークと白山ユネスコエコパークという、二つの国際的な認定が重なる、全国でも稀な地域です。
子どもたちが「食」を通じて、環境に優しい農業を学ぶために、本プロジェクトへのご支援をよろしくお願いいたします。