国内でも珍しいレンガ造りの教会「今村天主堂」が建設されたのは、1913年(大正2年)です。教会建築の名工、鉄川与助の最高傑作とも言われており、双塔のレンガ造りの教会は日本では非常に珍しい建築物として、平成27年には国の重要文化財にも指定されました。キリシタン弾圧の歴史を乗り越え建てられた今村天主堂も築100年を越えました。
歴史的価値が増していく一方で、自然災害により柱が傾いたり壁に亀裂が入ったりと建物自体の損傷も目立ってきました。平成29年から平成30年にかけて行った耐震診断で地震による倒壊の恐れが明らかになりました。令和4年に始まった保存修理工事で、必要な工事内容を割り出すための詳細な調査を行い、そして、いよいよ約9年に渡る本格的な修理工事がはじまります。しかし、課題として大きくのしかかるのが工事費用です。調査を経て試算された工事費は約37億円です。事業費は国、県、町からの補助金も充てますが、それでも約1億5千万円は所有者で主に信徒がつくる一般社団法人「今村天主堂保存会」が負担します。負担金が現在約200世帯の信徒に重くのしかかっており、多くの方々の支援が必要です。

平成29年から始めたこのクラウドファンディングは、一貫して「今村天主堂の保存」を最大の目的としています。この取り組みは、地域の皆様の負担を軽減するために続けています。
今村天主堂が建てられた土地は地盤が軟弱だったため、100年前の建設当時も基礎工事に莫大な費用がかかりました。ドイツなどからの多くの寄付と、信徒たちの勤労奉仕によって完成しました。
今回の保存修理も建設時と同様に、地盤改良を含む大規模な耐震工事と、破損箇所の補修を行います。使われているレンガやステンドグラス窓は、できる限りそのまま活用し、創建当時の姿を守り続けます。今後の修理工事は、約9年間にわたる全3期で実施される予定です。地盤改良や杭打ちによる基礎改良から着手し、各種補強技法を用い、堂内の補強、レンガ塀の歪み修正、内装・建具の修繕など、多岐にわたる工事を進めていきます。

ご寄付いただいた支援金は、目標金額を上回った場合も含め、すべて今村天主堂の耐震・保存修理工事の費用として大切に活用させていただきます。

教会本来の役割は信仰を伝えることですが、それだけでなく、今を生きる私たちに大切な気づきを与えてくれる力も持っています。
たとえば、今村天主堂の歴史を知ると、禁教令が敷かれた江戸時代から約300年にもわたるキリシタン弾圧を、当時の信徒たちがどれほどの強い意志と忍耐で耐え抜いたのかを肌で感じることができます。
100年以上にわたり、信徒の先人たちが守り継いできた強い想いと教会のあり方を、私たちは未来へつなげていきたい。だからこそ、今村天主堂を可能な限り保存・活用したいと考えています。

このプロジェクトを通じて、今村天主堂や潜伏キリシタン、ひいては大刀洗町に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。そして、この想いにご賛同くださる方が一人でも多くいらっしゃることを願っています。

今村天主堂の耐震工事・補修工事のための所有者(地域)負担分軽減のためにすべて活用させていただきます。
ぜひ多大なるお力添えをよろしくお願いいたします。

この度は今村天主堂に関心を寄せていただきありがとうございます。
「未来の今」を生きる方々へ今村天主堂を繋いで行きたいと願う我々の思いに共感いただければと思います。
共感していただいた方は、未来に残すために、所有者(地域)の負担を少しでも軽減するために支援いただければ幸いです。

【大刀洗町在住の皆様からのご寄附に関する注意事項】
大刀洗町では、町内在住の皆様からの寄附に関して、お返しの品の送付は対象外とさせていただいております。予めご了承ください。