2018/10/06
年収200万円でもふるさと納税は可能?控除上限額や注意するべき点を解説
最終更新日:2024/03/06
ふるさと納税は、居住地以外の地方自治体に寄付をすることで、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額を控除できる制度です。ふるさと納税は課税所得の金額や家族構成によって控除できる税金の上限額が変わります。年収200万円の方がふるさと納税をする際に知っておきたい控除上限額や注意点について解説します。
年収200万円でもふるさと納税で税金の控除を受けられる可能性があります!
年収200万円でもふるさと納税ができます。
ふるさと納税の控除上限額を求める計算式は「(個人住民税所得割額×20%)÷(100%-10%-所得税率×(100%+復興特別所得税率2.1%)」となります。
(個人住民税所得割額×20%)÷(100%-10%-所得税率×(100%+復興特別所得税率2.1%)
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ふるさと納税の控除上限額(限度額)がわかるシミュレーション
年収200万円の場合のふるさと納税控除上限額目安
さきほどの計算式を使って上限額を算出するためには、給与収入から各種控除額を差し引いた課税所得の計算や、課税所得から算出される個人住民税の所得割額の計算など、いくつかのステップを踏まなくてはいけません。
所得税や住民税の算出に必要な課税所得に関係がある家族構成の違いによっても控除上限金額は変わってきます。
独身の場合
独身の場合、ふるさと納税の上限額の目安は14,000円です。
個人住民税所得割額は年収から各種控除額(基礎控除など)を差し引いた金額です。
年収200万円の場合、個人住民税所得割額は約6万円となります。
これに20%をかけ、さらに住民税の基本分10%と所得税率、復興税率を考慮して計算します。
共働き(子どもなし)の場合
共働き(子どもなし)の場合、配偶者の収入によって変わります。
共働きで配偶者の年収が201万円以上の場合、ふるさと納税の上限額の目安は14,000円です。
本人の所得が900万円以下の場合で配偶者の年収が201万円以下であれば、配偶者控除または配偶者特別控除が受けられます。控除が適用されることで課税所得が少なくなるので、ふるさと納税の上限額も減ってしまいます。
課税所得200万円の人が「配偶者控除の適用を受けて子どもがいないケース」における上限額は6,000円が目安です。
共働き(子どもあり)の場合
共働き(子どもあり)の場合、配偶者の収入によって変わります。
共働きで配偶者の年収が201万円以上の場合で子どもが高校生(16歳~18歳)の場合の上限額の目安は6,000円、大学生(19歳から22歳)の子どもがいる場合は3,600円となります。
本人の所得が900万円以下の場合で配偶者の年収が201万円以下の場合は、配偶者控除と扶養控除が適用されます。
本人の所得が1,000万円以下の場合で配偶者の年収が201万円以下の場合は、配偶者特別控除と扶養控除が適用されます。
住民税の均等割りの金額は5,000円となるため、ふるさと納税で寄付をした金額はすべて自己負担となります。自治体によって、住民税の均等割り額が異なる場合もあります。
子どもと2人暮らしの場合
子どもと2人暮らしの場合、子どもが高校生(16歳~18歳)の場合の上限額の目安は6,000円、大学生(19歳から22歳)の子どもがいる場合は3,600円となります。
高校生の子どもよりも、大学生の子どもがいるケースの上限額が低いのは、16~18歳までと比べると19~22歳までの扶養控除の金額が大きいため、結果的に課税所得が少なくなるからです。
年収200万円以下でふるさと納税をする場合の注意点
年収200万円以下の方がふるさと納税をする際には、以下の点に注意が必要です。
注意点①:家族構成により控除上限額に違いがある
家族構成によって所得税および住民税の控除額が変わるため、寄付額やお礼品の選択に注意が必要です。例えば、扶養控除の対象となる子どもがいる場合は、控除上限額額が変わる可能性があります。家族構成に合わせた控除額を計算し、寄付額を決めるようにしましょう。
注意点②:ふるさと納税以外の税金控除を受ける場合には控除上限額が変わることがある
ふるさと納税以外の税金控除を受ける場合には、控除上限額が変わることがあります。例えば、医療費控除を受ける場合には、ふるさと納税の控除上限額が総合的な控除上限額に含まれることがあります。そのため、ふるさと納税の控除額を計算する際には、他の税金控除との兼ね合いも考慮する必要があります。
注意点③:お礼品を選ぶときは事前にご自身の控除上限額を確認しましょう
ふるさと納税は、寄付をした自治体の特産品を受け取れることも魅力のひとつです。しかし、お礼品を目的に控除上限額以上の寄付をしてしまうと、控除上限額を超過した分は税額控除の対象となりません。ふるさと納税でお礼品を受け取りたい場合は、あらかじめご自身の控除上限額を確認してからお礼品を選びましょう。
まとめ
年収200万円以下の方でもふるさと納税を利用することができます。
ただし、家族構成やふるさと納税以外に受ける税金控除の内容によっては、控除上限額が変わる可能性があるので注意しましょう。
ふるさと納税を検討される際には、具体的な計算や条件を確認することをおすすめします。
監修:セブンセンス税理士法人 公認会計士・税理士 大野 修平
※2024年2月時点の情報です。