2018/10/01
前年度より所得が減収した場合、ふるさと納税できる?
収入に応じた寄付の限度額はありますか?
ふるさと納税の寄付金自体に限度額はないので、原則自分の所得の変化によって自治体へ寄付できる金額が制限されることもありません。
たとえば、前年度の所得が500万円で今年の所得は400万円だったとします。そして、前年度に自治体へ6万円の寄付をしました。このような場合、今年も自治体へ6万円を寄付することが可能です。ただ、ふるさと納税をしたときに受けられる所得控除や住民税からの税額控除には限度額があります。
税金の控除額には上限が設けられており、その金額は本人の収入や家族構成で異なります。
そのため、所得控除の上限額や住民税からの税額控除の上限額を考慮してふるさと納税をするのであれば、収入額を気にしなければなりません。
ふるさと納税をした場合、原則として、寄付金から2,000円を控除した額が税額控除等の対象になります。そのため、一定以内の金額を寄付することで、実質負担額2,000円でふるさと納税をすることが可能です。
年収が下がったにもかかわらず、昨年と同じ金額を寄付してしまうと、実質負担額2,000円でふるさと納税できなくなってしまう可能性もあります。前年度より所得が減収になってしまった人がふるさと納税をする場合、この点について注意しておきたいところです。
改めて税金(所得税、住民税)の流れを説明
実質負担額2,000円でふるさと納税をする場合、寄付金額から2,000円を差し引いた部分は所得税と住民税の控除の対象となります。そのため、ふるさと納税をするときに税額控除等の恩恵を受けるには、所得税や住民税のしくみや計算方法、還付や控除を受ける時期などを把握しておかなければなりません。
ふるさと納税をしたとき、所得税から控除される金額は「寄付金額-2,000円」×「所得税の税率」の計算式によって算出されます。控除の対象になる寄付金の上限額は、総所得金額等の40%です。
また、所得税の税率は、その人の所得金額によって変わってきます。たとえば、所得金額が330万円を超え、695万円以下であれば税率は20%です。その他、2037年までに寄付をした場合、所得税の税率は復興特別所得税の税率を加えるため、所得税×1.021になります。
住民税からの控除額の計算式は、基本分と特例分の2種類あります。基本分と特定分の合計額が住民税から控除されるのです。
基本分は、「寄付金額-2,000円」×10%で算出します。なお、控除の対象となる寄付金額は、総所得金額等の30%までです。
一方、特例分は、「寄付金額-2,000円」×「90%-所得税の税率」で控除額分を計算します。ただ、この計算式で算出するのは、特例分の控除額が住民税所得割額の20%以下であるときです。
住民税所得割額とは、住民税の課税対象のうちで前年度の所得に応じて課税される部分をいいます。もし、特例分の控除額が住民税所得割額の20%を超える場合、「住民税所得割額×20%」で計算しなければなりません。
税金が控除される時期も所得税と住民税では違います。所得税の場合は、ふるさと納税をした年の所得税から控除を受ける形になります。これに対して住民税は、ふるさと納税をした翌年の住民税から控除されるのです。
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ふるさと納税の控除上限額(限度額)がわかるシミュレーション&早見表
寄付金額は、1万円未満でも可能です
ふるさと納税は数千円単位でも寄付をすることができ、受け取れるお礼品もあります。
前年度より所得が減収となっても、少額の寄付もできるため、ふるさと納税をすることが可能です。