2018/12/04
予定納税について教えて!
予定納税とはどのような税金の納め方なのでしょうか。予定納税について解説します。
予定納税とは
予定納税とは、毎年5月15日の時点で、それまでに確定している前年度の所得金額や税額などを基に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上となった場合、その年に払う所得税及び復興特別所得税の一部を予め納付する制度をいいます。
予定納税基準額は、その年の前年の所得のうち経常的に発生するもののみを基に計算した所得税額です。前年分の所得金額のうちに、山林所得や退職所得等の分離課税の所得(分離課税の上場株式等の配当所得等を除きます。)、譲渡所得や一時所得、雑所得、平均課税を受けた臨時所得の金額(除外所得の金額といいます。)がなく、かつ災害減免法の規定の適用を受けていない場合には前年の確定申告による申告納税額がそのまま予定納税基準額となります。
前年の所得金額のうちに上記の除外所得の金額がある場合には、前年の課税総所得金額から除外所得の金額をなかったものとみなして計算した所得だけを基に計算した所得税額から、これらの所得に関して源泉徴収された税額を控除して計算した金額が予定納税基準額となります。
予定納税は第1期と第2期に分かれており、第1期は7月1日から7月31日、第2期は11月1日から11月30日が納付期間です。予定納税の金額は、第1期も第2期も前年度の所得税額の3分の1ずつになるように割り振られます。
災害その他やむを得ない理由により申告、納税等が出来ない場合に、国税通則法の規定により納期限が延長されることがあります。延長の結果、第1期または第2期に納付すべき予定納税の納付期限がその年の12月31日より後になった場合には、その予定納税額はないものとされます。
税金を予め納付するので最初は負担感がありますが、その年の確定申告では予定納税分は納税額から控除されます。納めすぎた場合には還付もされるので、前年に比べて収入が少なかったという場合でも安心です。収入が安定している人にとっては、一気に大きな金額を納めなくて済むので便利な点もあります。
予定納税は納付期限が決まっている点に注意が必要です。納付期間に納められない場合は、延滞税を支払わなければならなくなることもあります。予定納税額は、所轄の税務署長からその年の6月15日までに書面で通知されますので、通知が来ている場合は見逃さないように注意し、期限内に納付を済ませることが大事です。
納付の方法は3種類
予定納税の納付方法には窓口納付、振替納税、電子納税の3種類があります。
納付方法は、予定納税する人が選ぶことが可能です。
窓口納付は、現金と納付書を金融機関又は所轄の税務署まで直接持参して、所定の税金を納める方法です。納税額が30万円以下の場合、税務署からバーコード付き納付書を交付されていればコンビニなどで支払うこともできます。
振替納税は、あらかじめ指定した納税者名義の預貯金口座から、予定納税の法定納期限に自動的に口座引き落としにより納税する方法です。予定納税の納期限までに前もって所轄の税務署又は希望する預貯金口座の金融機関へ専用の振替依頼書を提出した上で、口座に十分な金額を入金しておけば、延滞の心配がありません。なお、預貯金口座の変更依頼や振替納税の取りやめ依頼を行ったり、所轄の税務署が変更とならない限り、自動的に次回以降も振替納税が行われます。
電子納税は、e-Taxのシステムを利用してWEB上の操作で電子的に納付手続きを行う方法です。
減額申請とは
予定納税は、相応の理由がある場合には減額申請が可能です。
その年の6月30日の現況で所得税及び復興特別所得税の見積額が予定納税基準額よりも少なくなる方は、7月15日までに所轄の税務署長に「予定納税額の減額申請書」を提出して承認されれば、予定納税額は減額されます。
なお、第2期分のみの減額申請を行う場合には、10月31日の現況において見積り、11月15日までに申請することが必要です。
減額申請の理由としては、廃業や休業、経営の悪化や業績不振、災害等により事業用資産に損失を受けた場合など業務に直接関係あることの他に、災害や盗難により住宅等に損害を受けたために雑損控除を受けられる場合や重大な疾病により多額の医療費を支出したため医療費控除額が増加する場合なども認められます。
※2018年12月4日時点の情報です。
※この記事の内容についての詳細は、税理士等へご相談ください。