さとふるTOPページへ

フレ!フレ!みんなのふるさと納税!
さとふるがお届けする地域情報サイト

  1. 「ふるさと納税」ホーム  > 
  2. ふるさとこづちTOP  > 
  3. エリアから探す 記事分類から探す
  4.  >  自治体|寄付の使い道・まちづくり 近畿
  5.  > 
  6. 12年で寄付額10,000倍以上!ふるさと納税寄付金を市民の暮らしやすさに活用

12年で寄付額10,000倍以上!ふるさと納税寄付金を市民の暮らしやすさに活用

和歌山県有田市 自治体のお墨付きで特産品の価値を高める

見渡す山には段々畑が連なり、みかんの木々が生い茂る。まさに"みかんのふるさと"の景色が広がる和歌山県有田市(ありだし)。人口約3万人のまちには漁港が5つあり、海の幸も豊富です。特産品の価値向上に取り組み、近年ふるさと納税の寄付額を大きく伸ばしています。

01_実画_有田農業_r.jpg

寄付額は12年で10,000倍以上に増加

有田市は2008年度からふるさと納税の受入れを開始しましたが、初年度の寄付件数は5件、寄付総額は約30万円でした。その後、ふるさと納税制度の全国的な認知の広まりや、ふるさと納税サイトを活用した寄付の募集、そして有田市独自の取り組みの効果が表れ、寄付額は徐々に増加。2017年度と2018年度には約12億円を上回り、2019年度は前年の3倍近い約35億円の寄付金が全国から寄せられました。寄付額を12年間で10,000倍以上に伸びた要因について、有田市ふるさと創生室の鈴木順一室長に聞きました。
「寄付者の方は、より質の高いお礼品を求める傾向が強まっていると感じています。有田市は以前から特産品の発掘や磨き上げに取り組んでおり、それが結果的に寄付者の方に選ばれるお礼品になったのではと思います」

有田市のお墨付き「有田市認定みかん」

有田みかんの里として約450年の歴史を持つ有田市。長い歴史の中で培った技法をみかん農家たちが引き継ぎ、昨今の気候変動が激しい中でも安定して高品質な有田みかん生産を続けています。より高品質な有田みかんを世に送り出し、消費者に安心・信頼を与えるため、2010年度から全国では初となる、未加工の果物の自治体認定制度「有田市原産地呼称管理制度」をスタート。有田みかんの認定が始まりました。

02_DSC_0516_r.jpgふるさと納税のお礼品として人気の「有田市認定みかん」

「認定にあたっては園地審査、品質検査(糖度・酸度)、食に精通した"味覚のプロ"が食味審査する官能審査があり、これらの厳正な審査をクリアして初めて『有田市認定みかん』として出荷できます。有田市認定みかんは、有田市のふるさと納税お礼品としても人気です。この取り組みは有田みかんの価値向上とファンづくりにつながりました」
こう教えてくれたのは、有田市ふるさと創生室の樫村肇(はじめ)係長です。

03_審査の様子_r.jpg「有田市認定みかん」審査の様子

寄付金を活用して市民の暮らしを整備

有田市のふるさと納税の使い道には「教育・文化事業」や「産業・環境事業」、「市長におまかせ」など、2020年8月現在7つの使い道があり、寄付者は寄付の際に使い道を指定することができます。
「皆さまからいただいた寄付は、市内の三世代定住を促進する事業や、児童公園の整備、中学生の海外派遣事業、小学校通学路への交通安全のためのグリーンベルトの設置などに活用させていただきました」(樫村係長)

04_result13_r.jpg寄付金を活用して整備された通学路沿いのグリーンベルト

ふるさと納税がもたらした変化について、樫村係長はさらにこう続けます。
「ふるさと納税の寄付金の活用では、市民ホールや図書館といったハード面の整備や、子どもの医療費無償化、不良空き家※除去補助金といったソフト面の整備など、先ほどご紹介した活用以外にも市民の暮らしやすさにつながっている事例が多くあります。市民の中にも『ふるさと納税のおかげ』という認識が広まりつつあると感じています。
また、お礼品事業者においても『どのようなお礼品であれば寄付者に喜んでいただけるか』という視点で、自社商品を見直したり、新たな商品開発を行ったりすることが増え、以前にも増して前向きに取り組む事業者が増えました。特にみかん生産者は、今まで消費者と接点が少ない人が多かったのですが、ふるさと納税サイトのレビューや問い合わせを通じて寄付者の声を感じ、美味しいみかん作りへのモチベーションがより一層高まっていると感じます」
※ 概ね年間を通して住宅として使用実績がなく、構造の腐朽または破損などにより、著しく危険性のあるもの

地域の新たな観光施設建設にも寄付金を活用

太刀魚漁獲量日本一を誇り、周辺漁港の流通拠点漁港でもある「箕島漁港」内に、有田箕島漁業協同組合直営の産直施設「新鮮市場 浜のうたせ」が5月末にオープンしました。

05_浜のうたせ施設イメージ_r.jpg「新鮮市場 浜のうたせ」施設イメージ

「新型コロナウイルスの影響もあり、当初予定していた4月末のオープン予定から、1ヵ月延期してのオープンとなりましたが、手指消毒、入場制限など三密(密閉、密集、密接)を防ぐ取り組みを徹底し、無事にオープンを迎えることができました。おかげさまで、その後も多くの方々にご来場いただいております」(樫村係長)

06_DSC_0845_r.jpg水揚げされたばかりの新鮮な魚介類

07_DSC_0913_r.jpg有田市の特産品が並ぶ「浜のうたせ」店内

「有田市はふるさと納税の寄付金を活用して、『新鮮市場 浜のうたせ』の建設費用などに対し補助という形で支援をさせていただきました。この施設は、販売する魚介類の新鮮さや種類の多さはもちろんのこと、漁港に隣接しているということで、水揚げの様子を間近に見ることができ、漁師の方々の活気を直に感じられます。寄付者の皆さまにもぜひ足を運んでいただけたら嬉しいです」(樫村係長)

「新鮮市場 浜のうたせ」には、ふるさと納税のお礼品としても提供されている柑橘類や新鮮な野菜、加工品なども多く並んでおり、有田地域の特産品を幅広く手にすることができます。また、施設の近くでスタンドアップパドルボード、ダイビングなどマリンスポーツのアクティビティも検討されています。

最後に、寄付者へのメッセージをいただきました。
「皆さまのご支援があったからこそ、寄付金をもとに市民サービスの向上や、市内事業者への産業振興の取り組みが行えています。また、お礼品を扱う事業者も、皆さまからのお声を支えに頑張っています。新型コロナウイルスが沈静化しましたら、ぜひ有田市に足をお運びいただければ幸いです。心よりお待ちいたしております」(鈴木室長・樫村係長)