さとふるTOPページへ

フレ!フレ!みんなのふるさと納税!
さとふるがお届けする地域情報サイト

美しい阿蘇から安心と感動の詰まったお礼品を届ける

さくらや食産 阿蘇肉工房 『さとふる』を参考にお礼品開発・改良し寄付者に提供

阿蘇外輪山の一部である俵山や、広い草原、湧水など自然豊かな景色が広がる熊本県西原村。そんな雄大な景色に魅入られ、約20年前にこの地で食肉の取り扱いを始めたさくらや食産 阿蘇肉工房の代表取締役 櫻木康男さんに、食肉の卸売業から加工・製造業まで事業を拡大した経緯や、ふるさと納税と熊本地震について話を伺いました。

DSC02007_rs.jpg

"自分の家族に食べさせられる"ものをつくる

いまから約20年前に食肉の仕入れ販売をメインとする卸売業からスタートしたさくらや食産。18年にわたる大手食品メーカーや食品輸入商社での勤務を経て、会社を立ち上げた当時の想いを櫻木さんはこう話します。

「サラリーマン時代は大手食品メーカーの畜産部門で輸入ポークや輸入ビーフはもちろん、国産牛肉の仕入れや販売に関わり、全国のせりに参加したりしていました。その後、熊本の馬刺し専門商社、大阪の輸入商社に勤務し、輸入・国産の様々なお肉を取り扱いながら知識と経験を積みました。
多くのお肉を見て、口にして、その動物たちの飼料や加工の過程を学び、とにかく『安心・安全なものを届けたい』という想いが生まれたんです」

櫻木さん_rs.jpg株式会社さくらや食産 代表取締役 櫻木康男さん

長く携わってきた経験から"自分の家族に食べさせられる安心なもの"しか扱わないと決めた櫻木さん。
創業当時は食肉のプロならではの目利きと人脈を強みに卸売りをメインとしており、2-3年後には食肉の1次~2次加工を行う工場を建設。10年ほど前にハム・ソーセージ、ハンバーグなどの惣菜の製造業を始めました。
櫻木さんは「新しい商品をつくるのが好き」ということもあり、現在の取り扱いは生肉から惣菜まで合わせると約300アイテムにのぼるそう。

安心・安全へのこだわり

安心・安全には並々ならぬこだわりをもつさくらや食産。もちろん衛生管理・品質管理も隅々まで行き届いています。

「従業員も工場内も、衛生管理を徹底しています。工場内は、毎日の清掃に加え、定期的な業者による清掃はもちろん、細菌検査も実施していて、温度検査もいたるところで1日3回実施しています。こうした情報は原料や製造記録とひもづけて品質管理しており、『いつ、どこに、何を、いくつ出荷したのか』まで記録しているので、手に取っていただいた商品の原料までさかのぼって安全を確認できるくらい徹底しています」

こうした衛生管理・品質管理の徹底と、自社で原材料の仕入れから製造、販売まで行い、他社が介入せず自分たちの手で直接届けることが安心につながっています。

作業室_rs.jpg
清潔な作業室。HPでは工場内様々な場所の写真を確認できる

さらに、安心・安全に配慮して人の健康に気遣うことはもちろん、環境への配慮も必要と櫻木さん。

「私は福岡出身なので、西原村にゆかりがあるわけではなかったんです。でも西原村の位置する阿蘇に会社を構えたのには理由があります。『風の里』といわれる阿蘇は空気も水も綺麗で、標高も高く景色が素晴らしい。目の前に広がる雄大な景色を見て、毎日ワクワクしながら出勤しているんですよ。こうした自然を壊すことは、未来を壊すこと。この綺麗な地に工場を構えたからには、自然を汚さないことは優先項目と考えています。毎日廃棄物を引き取ってもらい、手作業や機械を使って、ある程度綺麗な状態で浄水層に流しています。汚水処理にもしっかり予算をかけているんです」

社屋全景_rs.jpg

ふるさと納税 人気の秘訣

自治体から声がかかり、2017年から『さとふる』でふるさと納税のお礼品提供を始めます。

「たくさんのお礼品の中で、西原村の私たちの品を選んでもらえることは本当にありがたいです」と話す櫻木さん。寄付してくれた方に何かしたいという想いで、お礼のチラシを同封しお礼品を送付しています。
また、寄付者をがっかりさせたくないという想いから、試作を繰り返し、"手元に届いた時にうれしい気持ち"になるようなお礼品になるよう心掛けているそう。

image2_rs.jpg人気のお礼品「阿蘇の逸品ウィンナー詰め合わせ」

『さとふる』のレビューは従業員に共有しており、良い口コミが従業員の士気を高めるそうです。

「手作業の工程も多いので、士気が高まるとより良いパフォーマンスが生まれます。たくさんのお礼品の中で、西原村の私たちの品を選んでもらえることは本当にありがたいです。自社の商品を全国の方々に広く認知していただけることはうれしいですね」
もっと喜んでもらいたい!という想いから、悪いレビューがあれば、すぐに改善しており、例えば『もつ鍋セットのスープが少ない』というレビューを参考にスープを増量したりと、レビューはお礼品開発にも活かされています。

さらに、『さとふる』の人気ランキングを参考に、他社のお礼品を取り寄せて研究し、なぜ評価が高いのか分析しているのだそうです。

「例えばハンバーグの場合、調理のしやすさとボリュームが重視されるということが分かったので、あえてソースなどの添付はやめ、質と量にこだわりました」
こうした努力が寄付者に伝わり『さとふる』ではさくらや食産の牛もつ鍋セットや、ウィンナー、ハンバーグなどのお礼品は、ジャンル別人気お礼品ランキングで上位にランクインしています。

ハンバーグ55_rs.jpg研究を重ね誕生したお礼品「阿蘇の逸品 和牛・黒豚ハンバーグ」

結局は「おいしさ」

「頭で考えても、おいしくないと寄付者に選んでもらえません。元々ウィンナーやハンバーグは肉の加工で出る端材を活用して生まれたもの。うちのこだわり肉の端材ですから、A4~A5のお肉を使っています。惣菜用の肉を仕入れているわけではありませんからコストダウンにつながり、その分寄付者の方に還元できていることは強みです。ボリュームがありつつも、贈答用にもふさわしいお礼品となるべく、ラベルもこだわりを持ってデザインしています」

こうしてふるさと納税で人気を集めたことで、従業員が増え地域の雇用拡大に貢献したほか、ふるさと納税の収益を設備投資にあて、製造費のコストダウンも実現しています。

「2019年にはハム・ウィンナーを加工するスモークハウスを建設しました。今年の1月には、もつを切断する機械を購入したので、機械化によって人件費が下がった分、もつ鍋セットのお礼品のもつを、さらに100g増量する予定です」

image3_rs.jpgさくらや食産で一番人気のお礼品「国産牛もつ鍋セット」
2019年にもつを含め内容量を大幅に増やしたが、さらにもつを増量する予定

寄付者から直接注文が入ることも少なくないため、自社ECでの注文も伸びたとのこと。工夫を凝らすだけでなく、素材からこだわったきちんとおいしいものを届けることで、多くの寄付者を引き付けています。

熊本地震とふるさと納税

ふるさと納税で定期的に注文が入ることで、製造スケジュールをコントロールすることができたり、ふるさと納税で人気を集めたお礼品を道の駅や物産館に展開し、売れ行きを伸ばしたりと、間接的に良い効果をもたらしたふるさと納税。
これらのほかにも、ふるさと納税にはとても感謝していることがあると櫻木さんはいいます。

「熊本地震の被害総額は1500万円くらいでした。幸いにも保険に加入していたため何とかなりましたが、当時は大変でした。そんな中、応援の気持ちで注文してくれる寄付者の方も多く、従業員全員で喜んだ記憶があります。西原村にお礼品なしの多額の寄付も寄せられ、ふるさと納税は村の復興に大きく貢献し、相当役に立っていると感じています。改めてありがたい気持ちでいっぱいですね」

届いた時の感動を大切に

最後に、今後の展望について聞きました。

「繰り返しになりますが、『さとふる』のレビューは本当に励みになります。おしかりのレビューは真摯に受け止め、できるだけ速やかに改善し、常によいお礼品を安定的にお届けできる体制を整えたいです。引き続き新しいお礼品を提案したり、良い素材が仕入れられた時に限定お礼品を展開したりしたいですね。今も新しいお礼品の登録に向けて動いています。これまで飲食店や大手販売店相手の業務用の卸売りがメインでしたが、今年は新型コロナウイルスの影響で一時売り上げが減少しました。家食の増加により、何とか休業やボーナスカットなどは避けることができましたが、外食を控える動きは続く可能性もありますし、現在は工場の直売所の増築を検討中です。直売所以外にも、自社販売に注力していきたいと思っていて、例えば自社ECの強化であれば『さとふる』でのノウハウを活かせるのではと考えています」

店内_rs.jpg直売所の様子

話の最後に櫻木さんはこういいます。
「いろいろ話したけれど、一番は手元に届いた時に感動してもらいたいです」
こうした想いが様々なこだわりや工夫となって、良い品となり、多くの寄付者に選ばれていることにつながっていると感じました。さくらや食産のこれからが楽しみです。

集合写真 改_rs.jpgさくらや食産 阿蘇肉工房の皆さん