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こだわりを貫くことが町のPRに

道の駅「石神の丘」町の特産品の魅力を全国へ発信

2002年7月24日、岩手県岩手町に道の駅「石神の丘」が誕生しました。
町の高台に建つことから、景観を重視し、羽ばたく鳥をイメージした外観が特徴の「石神の丘」は、岩手町の産直・物産コーナーはもちろん、地元食材にこだわるレストランのほか、「石神の丘美術館」が併設された町民の憩いの場。今回は「石神の丘」の支配人である八重樫 博さんに、町にとっての道の駅の機能や、ふるさと納税の活用について伺いました。

道の駅1石神の丘全体_r.png

販売施設を超えた機能を果たす

道の駅「石神の丘」は、町民に愛され、土日は盛岡や八戸方面からも人が集まる町の人気スポットです。収穫体験や催事の実施など、毎月イベントを開催し、来場客を飽きさせない工夫を凝らしています。
「『石神の丘』は買い物や休憩場所というだけでなく、地域の情報発信や事業者・住民の連携の場だと考えています。そのため、イベントも月に1回程度のペースで、様々な方に参加してもらえるような内容にしています」

道の駅は町の第三セクター「株式会社 岩手町ふるさと振興公社」が運営していることもあり、町の防災施設としての機能も果たしているそう。
「2011年の東日本大震災の発生時、停電に断水、さらにはガソリン不足という状況になり、お客さんが来ても商品の販売どころかトイレすら提供できなかったんです。その教訓を活かし、今では自家発電機能が備わっています」

町にとって重要な機能を果たす「石神の丘」。7月には17周年を迎え、開業記念感謝祭を行いました。

2010_0724画像0143_r.png開業記念感謝祭の様子

特産品を開発し、魅力を発信

町の魅力を発信する立場として、石神の丘は、町内生産者・事業者の商品を扱うだけではなく、町の特産品を活かした加工品の開発にも取り組んでいます。
「岩手町といえば『キャベツ』と『ブルーベリー』。岩手町は、戦前からキャベツ栽培が盛んだったのですが、消費者の嗜好性の変化などにより一時衰退していました。そんな中、もう一度キャベツ産地を目指そうと立ち上がった人たちにより生まれたのが、オリジナルブランドの『いわて春みどり』です。夏に旬を迎えるのですが、春キャベツのようにみずみずしく、美しい緑色が特徴です。このいわて春みどりを使い新しく開発したのが『キャベ酎』『岩手町キャベツまんじゅう』『岩手町キャベツドロップ』などです」

image13_r.png岩手町キャベツドロップ

「また、岩手町は加工用ブルーベリーの出荷量県内一を誇り、夏は観光農園でのブルーベリー狩りも人気です。開業当初からレストランで『ブルーベリーカレー』を提供していて、開業2周年記念に、レトルトタイプのブルーベリーカレーを販売しました。
今年は、若い女性をターゲットに、ブルーベリーワイン『ルルとリリ』が誕生しました。県内のデザイン会社や、学生とコラボして開発したんです。ふるさと納税のお礼品にも登録しています。このように、毎年特産品を活かした新たなオリジナル商品を開発しています」

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2019年に開発した特産品
岩手町ブルーベリーワイン『ルルとリリ』

ふるさと納税が工夫のきっかけに

町の特産品が集まる石神の丘は、2017年から『さとふる』でふるさと納税のお礼品提供をおこなっています。
「ふるさと納税に参加したのは、町のすすめでした。正直、道の駅なので自分達が作っている商品も少ないですし、困惑した部分もあったのですが、『さとふる』の営業の方と店内を回って、なにをお礼品にしたら町のPRになるか、全国の方に喜んでもらえるかを考えたりしながら、お礼品を増やしていきました。
我々の考える"特産品"を、『いいね』と営業の方にいってもらうと、第三者から見ても魅力的なんだと思えて自信につながりました。営業の方はアドバイスして終わり、ではなく、何度も足を運んでくれて丁寧に対応してくれました。
人気の贈答用長芋はまさに営業の方に「いける」といわれて提供を開始したお礼品です。提供したら寄付が伸びてびっくりしたお礼品のひとつ。途中、営業さんからサイトのお礼品写真の差し替えのアドバイスを受けて変更したことも良かったのかもしれません。
我々だけでなく生産者の方も含め、ふるさと納税のお礼品提供を始めて、どうやって工夫するとより良く見えるのかを、考えるようになりました。長芋の場合は梱包材におがくずを使ってみたりして。鮮度が長持ちするだけでなく、地域から届いたという印象も強くなりますよね」

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「北上川」が流れる、岩手町の風土が育んだ長芋
おがくずを梱包材に使うのは生産者さんのアイディア

町の代表として選りすぐりを届ける

去年は、その長芋と、野菜セットのお礼品の人気が高かったそうですが、今年は冷凍ブルーベリーが人気を集めています。人気の理由を聞きました。
「実は、『さとふる』専用の農家さん(道の駅の組合員)がいまして、特に良い仕上がりのブルーベリーを出しています。通常、冷凍ブルーベリーは加工用中心であることが多いのですが、『さとふる』用に栽培し、収穫してすぐに冷凍しているので、生のまま使えるほどの良い仕上がりのものを鮮度が良いまま冷凍しています。
ブルーベリー農家さん以外の組合員さんも、ふるさと納税は全国に"町の特産品"として届けられることを意識してか、『さとふる』用と伝えると、良いものを選りすぐってくれたりします」

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岩手町のブルーベリー
夏は観光農園でのブルーベリー狩りも人気

こうしてふるさと納税に力を入れたことで、新しい発見があったそうです。
「新しい層に商品を届けることができるようになりました。道の駅では"青果"のほうが人気なので、今年のように冷凍ブルーベリーにたくさん寄付が集まったのはびっくりでした。今まで道の駅であまり出てなかったものに人気が出たわけですから。今後はブルーベリーに次ぐお礼品を提供していきたいです。どんどん新しいお礼品を出すことで、新しい町の魅力を知ってももらうことができて、PRになりますよね。
ふるさと納税はこれまで接点のなかった人とつながることができるので、ふるさと納税での縁を大切にして、これからも頑張りたいです」

"岩手"を背負ってこだわりを貫く

ふるさと納税で良いものを提供することにこだわる八重樫さんに、これからの展望を伺いました。

DSCF3147_r.png道の駅「石神の丘」支配人 八重樫 博さん

「岩手町は高原野菜の町。『ここの野菜はフルーツみたいだ』といわれることもある。これは見た目ではわからないので、ぜひ一度食べてみてほしいです。
繰り返しになりますが、店頭商品はもちろん、ふるさと納税は特に良いものを提供しています。お礼品の野菜は、農家の人が道の駅に持ってきたその日のうちに発送しています。道の駅だからこそ安全で新鮮なもの、そしてこだわった選りすぐりのものを届けていきたいと思っています。
ここは岩手県岩手郡岩手町。"岩手"を背負っています。ふるさと納税を通して、良いものをこだわって届けるということが、一番町のPRになると思います」
生産者ではないからこそ、町のPRのためにこだわりを貫く姿勢に感動を覚えました。

最後に、「私たちは特産品を開発していますから、これからもそれをお礼品として提供したいと考えています。岩手町に足を運ぶきっかけにしてもらえるような商品を開発していきたいですね」と話す八重樫さん。
町の魅力を発信することに邁進する「石神の丘」のこれからに期待です。