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唐津で味わう新鮮な活き造り

水野旅館 玄界灘の幸でもてなす純和風旅館

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水野旅館社長兼料理長 立花研一郎さん(右)女将の史子さん(中央)支配人の充さん(左)

玄界灘に面した佐賀県唐津市の「水野旅館」は、地元の新鮮な食材を使った料理や海を望む客室が人気で、その武家屋敷門と観風亭は国の登録有形文化財に認定されています。日本全国や海外からの旅行客をもてなし、唐津の魅力を伝えています。

秀吉が称賛した名物料理の「とんさんなます」

江戸時代には唐津藩の城下町、明治以降は石炭の積出港として栄えた佐賀県唐津市。かつての面影を残す街並みや新鮮な玄界灘の幸、「日本三大茶陶器」の1つに数えられる唐津焼で知られ、多くの観光客が訪れます。

この唐津市の水野旅館は唐津城付近の「石垣の道」沿いにあり、約400年前、名護屋城から移された武家屋敷門「水野の門」が顧客を迎えます。新鮮な玄界灘の幸が味わえるほか、数寄屋造りのすべての客室から、島々が点在する唐津湾を望むことができます。

1953年に創業した水野旅館では、当初から創意工夫を続けており、生簀もその1つです。

松浦川河口にある唐津では、海水の塩分濃度が低いことから「生簀はできない」というのが、以前は定説でした。しかし、創業者の立花徹三は研究を重ね、海岸の地中海水は一定かつ十分な濃度や温度で、生簀に適していることを発見しました。1961年には、当時としては画期的な沖海水汲み上げの生簀を作り、これによって可能になった活き造りは、今日まで水野旅館を代表する料理となっています。

水野旅館の社長兼料理長、立花研一郎さんは「唐津は新鮮な魚介類のほか、色々な野菜・果物や佐賀牛もあり、食材が豊富なところです」と言います。水野旅館では「美味求真」を信条に、玄界灘の天然魚介類をはじめとする地元の豊かな食材を活かした料理を提供しています。その名物料理のひとつが、「とんさんなます(殿様刺身)」です。

とんさんなますは「えながなます」とも呼ばれ、かつて太閤秀吉が名護屋出陣の折唐津唐房に立ち寄った際、地元の漁民が差し上げた料理を再現したものです。漁民が海水を汲むひしゃくである「えなが」で汲んだ沖の汐で生きた魚を洗い、調理した刺身を「えなが」に盛って差し上げたところ、秀吉は「これぞ料理の粋である」と賞賛したそうです。

これによって地元の漁民は、筑前姫島から肥前伊万里に及ぶ広大な地先(漁業権)を与えられたといわれています。水野旅館では当時の料理をそのまま再現しようと、沖の海水で生きた魚を洗い、ひしゃくに盛った、とんさんなますを提供し続けています。

ふるさと納税で一人客のニーズを発見

水野旅館では、ふるさと納税の寄付者へのお礼品として、宿泊券と食事券を提供しています。ふるさと納税を通じて、従来よりも顧客の層が広がっているのを実感しているそうです。特に、出張の際などに訪れる一人客が増えました。

「ふるさと納税を利用して、出張の際に繰り返し宿泊してくださるお客様もいらっしゃいます。『帰ってくるような感じで、楽しみになった』と言っていただき、嬉しく思っています。ふるさと納税によって、新しいお客様が随分増えています」女将の立花史子さんは、ふるさと納税の効果を実感しています。

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最近では、水野旅館の宿泊券を九州の両親の贈り物にするお客様も増えた

従来、旅館は一人では入りにくいという印象があるが、ふるさと納税で一人用のプランを作ったことにより、「一人でも堂々と宿泊できるようになった」という声もあるそうです。

また、従来ではアプローチできなかった客層がふるさと納税制度を利用して宿泊に来るケースもあります。

寄付者の中には首都圏在住で、宿泊券を九州にいる両親への贈り物にしている人もいるそうです。贈り物を受け取られた方がうれしそうな笑顔で来館されるのを見るのも、史子さんにとって嬉しいことです。

また、ふるさと納税の価格帯に合わせ、佐賀牛をメインで提供する新しいコースのプランも作りました。「寄付者の方々に最大限のお返しをしたいと思い、新しい献立を考えました」と支配人の立花充さんは言います。

例えば、ふるさと納税のお礼品となっている食事券「佐賀牛の網焼き+基本会席」では、唐津料理として有名なイカの活き造りが入った基本会席に、佐賀牛の網焼きを加えた会席料理を提供しています。玄界灘の海の幸と人気の佐賀牛を、オーシャンビューの部屋でゆっくり楽しめる食事券となっています。

唐津全体の発信につなげる

水野旅館には、日本全国や海外から宿泊客が訪れています。一方、ふるさと納税の食事券で訪れる人は、近隣の福岡県からが多いそうです。水野旅館の料理は地元の豊かな食材を使っているだけでなく、佐賀県の唐津焼や有田焼の器を使って出されるのも特徴です。

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「唐津を初めて訪れるお客様もいらっしゃるので、お料理を出す際は、唐津焼や有田焼、佐賀のお酒など色々なものをご紹介しています。お客様の中には、唐津焼の窯元めぐりをされる方もいらっしゃいます。唐津焼は使うごとに味わいが深くなるので、ぜひお求めいただき、永く楽しんでいただきたいと思っています」(史子さん)

昨年公開された、大林宣彦監督の映画「花筐/HANAGATAMI」は、唐津を舞台としており、水野旅館で創業当初から使われてきた「観風亭(百合の間)」や水野の門がロケ地になりました。この映画の製作費の募金は、唐津市のふるさと納税制度でも受け付けが行われ、全国から多くの寄付が寄せられました。

「ふるさと納税の効果は、ほぼ期待どおりで、ありがたい状況です。唐津に寄付をして宿泊や食事に来てくださった方々には、唐津を楽しんで、色々な良いところを知っていただければと思います」(充さん)

旅館は他の地域から訪れた人々の拠点となる施設であることから、水野旅館では、ふるさと納税の寄付者とのつながりを大切にし、今後も唐津の良さを伝えていこうとしています。より多くの訪問者に唐津の魅力を知ってもらい、再訪してもらえるようなサイクルを生み出そうとしています。