アンケートデータから見る2025年のふるさと納税:前編
2025年は10月にポイント付与禁止措置により、9月に駆け込み寄付がみられるなどの影響があった1年でした。また高市早苗内閣が発足し、所信表明演説で「物価高対策」に言及するなど、長引く物価高の影響がふるさと納税にもみられています。
この記事では、2025年のふるさと納税の動向について、アンケート調査の結果を交えて紹介します。
<調査概要>
実施期間:2025年10月8日~10月20日
手法:インターネット調査
実施機関:株式会社さとふる
対象:ふるさと納税サイト「さとふる」で取り扱う305自治体、1941事業者
物価高が直撃、約半数の自治体が寄付額を見直し
2025年10月に実施した自治体・事業者アンケートでは、物価高の影響を受けて、約半数の自治体が「寄付金額の値上げ(49.8%)」を実施しており、寄付額を維持することの難しさが表れる結果となりました。
Q. 物価高の影響を受けて、対応したことを教えてください。(複数回答可)

物価高の影響を特に感じる品目としては、「米(55.1%)」が最も多く、「肉(20.6%)」が続く結果となりました。「さとふる」の2025年1月~10月におけるサイト内検索キーワードランキング※でも1位は「米」となっており、2024年に引き続き「米」のお礼品に対して高い関心が寄せられていることが分かりました。
※ 2025年1月1日~10月31日までの「さとふる」における検索キーワードより算出
Q.物価高の影響を特に感じる品目は何ですか。(複数回答可)

"生活応援"or"プチ贅沢"二極化するお礼品選び
同様にお礼品選びにも変化が見られました。さとふるが発表した2025年人気お礼品ランキング※では、「訳あり品」や「日用品」など日常を支える実用性の高い"生活応援お礼品"と、物価高疲れの中で非日常を味わえる「牛タン」や「うなぎ」などの"プチ贅沢お礼品"がそれぞれ上位に入り、2025年は"生活応援"と"プチ贅沢"の二極化="メリハリ消費"が顕著に表れる結果となりました。

このふるさと納税トレンドを受け、さとふるでは2025年12月に「あなたはどっち派!?ふるさと納税で"生活応援" or "プチ贅沢"『物価高時代のさとふるマルシェ』」を開催しました。イベントでは「生活応援」と「プチ贅沢」の2つのテーマに沿ったお礼品を販売しました。

また、会場内に設置したボードで「ふるさと納税のお礼品として"生活応援"か"プチ贅沢"どちらを選びたいか」二択のアンケートを実施しました。
その結果、"生活応援"が30.8%、"プチ贅沢"が69.2%と、約7割を占める結果となりました。


2024年につづき2025年も物価高の影響を受けた一年だったことから、日々の節約疲れによる「今年の年末はふるさと納税を利用し贅沢に過ごしたい」との傾向が伺えます。またお礼品販売においては連日品切れが続出し、一人当たりの購入個数制限を設けるほど大盛況を収めました。
猛暑がもたらした生産現場の変化
物価高だけでなく、夏には猛暑により全国的に農作物や海洋環境の変化など、お礼品事業者への影響が見られました。2025年は最高気温40度以上をのべ30地点で観測し、過去最多となったほか、5年ぶりに国内の最高気温を更新しました。
10月のアンケートでは、事業者の27.3%が「猛暑の影響を受けた」と回答しました。具体的には、「収穫量・生産量・販売量の減少(62.1%)」や「仕入れ価格の上昇・不足(43.2%)」が主な影響として挙げられました。2024年の同アンケート結果※でも、事業者の30.4%が「猛暑の影響を受けた」と回答しており、「猛暑」は事業者にとって一過性ではなく恒常的な課題となっていることがうかがえます。
※ 2024年ふるさと納税の変化 自治体・事業者アンケート結果発表より
Q. 猛暑によってどのような影響がありましたか。(複数回答可)
また、猛暑の影響を受けた事業者の87.2%が「価格の変更」や「提供量・生産量・販売量の見直し」など、何らかの対策を実施したと回答しました。猛暑をきっかけに、「特産品開発」「訳あり品や新たなお礼品の拡充」「生産の改良」などの取り組みもみられました。新たな特産品の開発や付加価値の向上に加え、"気候適応型生産"への転換に踏み切る事業者がいることも分かります。
Q. 猛暑の影響を受けて実施した対策や、今後実施を予定・検討している対策はありますか。また、それはどのような対策ですか。(複数回答可)

前編では、物価高や猛暑によるふるさと納税への影響について紹介しました。
後編では2025年から2026年に予定している制度改正に関するアンケート結果についてお伝えします。

