2024/11/06
福岡の食文化「もつ鍋」を観光業に。そして全国へ
もつ鍋一藤 街を愛し応援し、街から愛され必要とされる店
福岡市内にあるもつ鍋専門店「一藤」。ビジョンは"100年続いていくもつ鍋"。「街を愛し応援し、街から愛され必要とされる店」です。「一藤」の通販事業を担当するSmall company株式会社は、福岡県福岡市、大野城市、太宰府市の3自治体からさまざまなふるさと納税のお礼品を提供しています。そんなSmall company株式会社の通販事業部 津上大さんにお話を伺いました。
"100年続いていくもつ鍋"を本場福岡で
仙台でもつ鍋専門店を経営していた創業者の「ふるさとの福岡で大好きなもつ鍋店を開きたい」という思いが創業のきっかけだそう。
2008年、「心に残るもつ鍋」をコンセプトに、福岡市に店舗を構えました。その後、2012年、2015年、2018年と福岡市内に続々と店舗をオープンしています。
「当初は、20~30代女性をターゲットとしてオープンしましたが、今では子供から年配者まで老若男女幅広い世代に100年後も愛されているもつ鍋店を目指しています」
人気店であるにも関わらず、福岡市内だけの展開であることを伺うと、津上さんはそのこだわりを教えてくれました。
「1日3食の食事の中の1食が、心に残るものであってほしいとの思いがあります。一番大事にしている事は、福岡でしか味わえない味です。どこでも食べられる"福岡の味"ではなく、福岡に来たからこそ味わえる味。稀少性があればなお心に残るかもしれませんよね」
もつ鍋一藤博多店
「一藤」こだわりのおいしさがふるさと納税で全国へ
福岡県外の方は、もつ鍋=醤油のイメージが強い方が多いかもしれませんが、一藤では味噌のもつ鍋が人気です。
「醤油のもつ鍋はいろんなお店が出していますし、味噌は味噌そのものも、調理工程にもこだわりが出せるのでいいんです。もつ鍋店の中には、あらかじめ寸胴鍋にスープを作り、そのスープに野菜やもつを煮込んで提供しているお店もありますが、うちはオーダーを受けてからだしに火を入れ、野菜、モツの順に調理し、提供の直前に味噌を溶いています。そうすることで味噌の風味が飛ばないので、食べた瞬間に味噌の香りが口全体に広がるんです。創業当時から変わらない方法ですね」
こだわりを持ったおいしさを、お店と変わらない味で届ける通販事業を、津上さんの勤めるSmall company株式会社が担っています。
「2010年から通販事業を開始していますが、ふるさと納税は、2018年の大野城市から始まり、太宰府市、福岡市、の順で参加しています。通販事業部内で話し合いを重ね、今後のふるさと納税の伸張を予測し、我々も注力すべきではと立ち上がり、はじめに社長の出身地である大野城市さんでもつ鍋を提供することが決まりました」
津上さんは当時から現在を振り返ります。
「最初はもつ鍋のライバルは少なかったんです。なので見つけてもらえる機会は多かったのかもしれません。また、当時は寄付の注文が入ったとしても一藤を知っているお客さまばかりだったと思いますが、ふるさと納税サイトのランキング順位が上がっていき『ランキングに入っているから頼んでみよう』など、徐々に当社を知らない方にも選んでもらえるようになり、ふるさと納税を通じて認知が広がったと感じています」
実際に、「ふるさと納税でギフトとして人からもらって初めて一藤を知った」「ふるさと納税でおいしかったので、福岡まで食べに来た」という声もあったそう。「ふるさと納税を通じて新しいお客さまと出会えたことがありがたいですね」と津上さんは笑顔で教えてくれました。
「さとふる」お礼品ページ
ふるさと納税で不安を払拭
2020年に飲食店業界に大きな打撃を与えた新型コロナウイルス。一藤も影響を受けましたが、ふるさと納税などの通販事業で救われたといいます。
「店舗の方は営業できない月が多くありました。2020年4月の緊急事態宣言後、通販事業部内で『このピンチを乗り越えられる方法はないか』と、挑戦と失敗をくりかえし、試行錯誤していたところ、多くの皆さまからふるさと納税や通販の申し込みをいただくことができました。仕事が無いという状況から一転、社員の士気が上がり、底知れない不安を払拭できたと思います」
ふるさと納税も不安を解消する大きな一助になったという津上さん。「寄付者さんの中には一藤のファンもいらっしゃったと思います」と教えてくれました。
当時ふるさと納税は支援を目的に寄付先を選ぶ「応援消費」が増えていました。福岡で知名度が高いことに加え、さとふるでは2017年からお礼品ランキング上位だったこともあり、寄付する方が多かったと考えられます。
100年続いていくもつ鍋専門店として
ふるさと納税を通した全国への取り組みだけでなく、福岡の食文化を守るため地域に根差した取り組みも行っています。
「2023年、2024年の6月に、中学生以下の子供を対象に、本場のもつ鍋に触れる機会として『一藤こどもの日』を実施しました。コロナ禍の外食控えがありましたが、子どもたちに外食のすばらしさを感じてもらったり、福岡の食文化、観光産業である"もつ鍋"を体験したりしてほしいと思って始めました。私自身、30年ほど福岡にいますが、子どもの頃に家庭でもつ鍋を食べたことがありませんでした。なので、人生で初めて食べるもつ鍋が一藤だったらいいなという思いもあります。この取り組みを通して、子どもたちに福岡のもつ鍋のファンになってほしいと思っています」
"100年続いていくもつ鍋"をビジョンに掲げる一藤ならではの取り組みです。街を愛し応援し、街から愛され必要とされるお店としての取り組みが、これからの100年の中で、参加した子どもたちが店舗に足を運び、時にはアルバイトをするなどして、次の世代へと繋がるのかもしれません。
「もつ鍋という福岡の食文化のため、"100年続いていくもつ鍋"のために、今後も必要な取り組みだと考えています」
2024年6月23日に実施した「一藤こどもの日」の様子
目指すところは飲食業ではなく観光業
最後に、津上さんに今後の展望を伺いました。
「我々は飲食店ではなく観光として成り立つことを重視しています。福岡の観光業は太宰府天満宮のほかにあまり思い浮かぶ観光地がないなんていわれることもあります。100年後を考えたときに、『福岡といえば一藤』『一藤といえばもつ鍋』といったように、太宰府天満宮と並ぶような一つの観光地になることを目指したいです」
100年後を見据えているからこその目標と感じました。
さとふるは、これからの100年の一藤の活動を応援しています。
一藤の皆さん
「もつ鍋一藤」のお礼品はこちら