2024/03/28
消費者目線のお礼品開発で寄付者の心を掴む
株式会社ホクビー ふるさと納税で成功を収める食肉加工メーカーの挑戦
北海道石狩市の「株式会社ホクビー」は厳選された素材と高度な技術で生み出された高品質なステーキやハンバーグを提供する食肉加工メーカーです。創業50年を機に自社の技術を生かして消費者目線で開発した「北海道ビーフハンバーグ」は石狩市の人気お礼品に成長しました。商品開発に携わったマーケティング営業部の戸井弘美さんに話を伺いました。
コロナ禍をきっかけにふるさと納税へ本格参入
株式会社ホクビーは1972年創業。元々は、北海道産の牛肉を使用したステーキやハンバーグを提供するレストランを札幌に開いたのが始まりでした。全道で店舗を展開する中、品質を均一に維持しながら各店舗へ供給するためにセントラルキッチンとなる工場を稼働させ、その後食肉加工メーカーへと転身。現在は国内のみならず世界27か国と取引があります。
2020年に世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスは、取引先のホテルやレストラン、学校給食業者などを直撃し、ホクビーにも大きな影響を及ぼしました。そんな中、2021年に新たに立ち上がったのが戸井さんも所属するマーケティング営業部です。石狩市からも「肉のお礼品を強化したい」という相談があり、ふるさと納税などの一般消費者向けの商品開発に乗り出しました。
戸井さんがこだわったのは「家庭でも手軽に調理できる」こと。調理のしやすさと食べやすさ、アレンジのしやすさなどにこだわり誕生したのが「北海道ビーフハンバーグ」です。
ホクビー初、冷凍から調理可能な「北海道ビーフハンバーグ」誕生
ホクビーの代表的な商品である穴のあいたビーフハンバーグ。その美味しさを「家庭でも手軽に味わってほしい」という思いから、新商品「北海道ビーフハンバーグ」が誕生しました。冷凍状態から調理可能という画期的な商品で、味が美味しいのはもちろんのこと、ハンバーグのサイズやパッケージなどを何度も試作を経て開発されました。
「レトルトのようにいつでも手軽に調理して食べられるモノ、添加物が少ないこと、さらに家で作る手ごねハンバーグに近いものを作りたいと考えていました。社内の研究チームには、『凍ったまま楽に焼けて失敗がなく、かつおいしく食べられるように』とリクエストしました」
「北海道ビーフハンバーグ」の特徴はホクビーの技術により設けられたハンバーグの穴と、研究の末決定したサイズ感にあります。
穴のある面から焼くことで火の通りが早くなるのはもちろんのこと、ふっくら膨らみ、かつハンバーグ全体で均一に肉汁を閉じ込める効果があり、非常にジューシーに焼きあがります。
サイズは老若男女が食べやすいサイズを模索し90gに決定。冷凍状態のハンバーグは平らで薄いので、冷凍庫に収まりやすいというメリットもあります。
パッケージには感謝の気持ちを込め、「ありがとう」の文字がデザインされました。創業50年という節目だったこともあり、ハンバーグを作る者と食べる者、双方への感謝の気持ちが込められているそうです。
お礼品ページには多くのレビューが寄せられている
寄付者からは「仕事から帰ってきて疲れている際にも気軽にすぐに焼けるので助かります!」「冷凍庫から取り出す際にありがとうの文字を見て、とても癒されます」といった声が届き、戸井さん自身も強く共感するものが多いそうです。
実際に調理してみたところ、パッケージの説明の通り、穴の開いた面を弱火で4分、裏返して3分焼き、余熱で1分30秒待つとふっくら美味しいハンバーグが焼きあがりました。「タイパ」が求められる現代社会で、自宅での食事作りの大きな戦力となる商品だと感じました。
寄付者の声がお礼品ラインナップの充実や従業員の自信に
株式会社ホクビーは、これまで98%の商品が業務用の販売でしたが、ふるさと納税に参加したことでお礼品レビューなどを通じて消費者の声をダイレクトに受ける機会が生まれました。良い評価はもちろん、改善点を指摘する意見も商品改良の参考になり、商品づくりに役立っているそうです。
「ハンバーグ24枚で1セットだったのですが、年配の方や2人家族などを想定して試しに6枚や12枚セットを作ってみたところ好評いただきお礼品ラインナップに加えました。
また、『少しずつ食べたい』という声をキャッチアップしたスタッフから『ハンバーグ以外の商品に目を向けてもらえるのでは』と、ハンバーグとローストビーフのアソート品を提案され実際に300セット限定で作ったところ、なんと完売したんです」
たしかな商品力と日々の研究により、「北海道ビーフハンバーグ」は2023年度の出荷数が前年の10倍に増加。そのうちの半分以上がふるさと納税を通じた申込みだそうです。
「毎週生産量の調整が必要となっていて、現在も3月末まで出荷をお待ちいただいている状況です(取材は2024年2月)。さとふるの場合は1日の出荷数上限を設定できるので、計画的に生産体制が組めて助かっています」
実際に製造している職員の皆さんと戸井さん(左から2人目)、日々ふるさと納税の研究や画像製作を担当している種田さん(同1人目)
ふるさと納税を通じて自社の商品を全国の消費者に届けられるようになったホクビー。親族や知り合いから、「ホクビーの商品はすごいね!」と声をかけられることで、より自社商品に自信が持てるようなった従業員が増えたそうです。
北海道の魅力を届ける新商品を開発
ホクビーは現在、レビューで「チーズを乗せた」という声から着想を得て、新商品の開発に取り組んでいます。
「ハンバーグの中にナチュラルチーズを入れた、凍ったまま焼けるチーズハンバーグを開発しています。コロナ禍で打撃を受けた北海道の酪農家さんの助けにもなりますし、酪農王国北海道のPRにもなる。ふるさと納税にぴったりのお礼品だと思います」
チーズの柔らかさにこだわって試作を重ねているそうで「5月にはお礼品として届けられそう」と教えてくれました。
自社のお礼品を多くの方に食べてもらうことで、石狩市の魅力を伝え、地域経済の活性化につながることを期待しているという戸井さん。
凍ったまま8分半で調理が可能な画期的な「北海道ビーフハンバーグ」をはじめとした、ホクビーの技術力を生かしたお礼品が、今後も全国の食卓で楽しまれることを期待しています。
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