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2018/12/06

米穀店の殻をやぶり、新しい価値を育む

"日本一田んぼに足を運ぶ米屋"でありたい 澤田米穀店

大正4年創業 100周年を迎えた澤田米穀店は、北海道の水田発祥の地「北斗市」にお店を構えています。

四代目 澤田 導俊さんは、一度北海道を出たUターン組。道外での生活から、北海道に戻り家業を継ごうと思ったきっかけや「お米」に対する想い、取り組みについてお話を伺いました。

★IMG_9177_RS2.png

澤田米穀店 専務取締役 澤田 導俊さん
お米アドバイザーの資格を持っている

最低基準は特別栽培米

澤田米穀店で扱うお米は、特別栽培米を最低基準としています。

「特別栽培米は、本州、北陸、東北に比べて北海道ではまだ少なく、近隣の農家さんに化学肥料や農薬を減らしてつくってくれないかとお願いしましたが、はじめはなかなか理解を得られませんでした。それから、毎年、田植えを手伝いに行ったりしながら信頼関係を築き、6年目くらいに1、2件の農家さんが、『まず試しに田んぼひとつ分』と言ってつくってくれました。それがうまくいったので、翌年には少しずつ田んぼを広げていき、それを聞いた近隣の農家さんが賛同してくれてどんどん増えていきました。いまでは地元で10件の農家さんと契約しています。」(澤田さん)

★IMG_9197_RS.png「農家さんとただ話をするだけでなく、一緒に田んぼに入っています。」と話す澤田さん

澤田米穀店の特徴は出荷時のこだわりにも表れています。

「製品の出荷において『割れたお米を取る』ことはとても重要だと考えています。この作業が味に大きく影響するといわれているんです。この作業を行なわない米屋もありますが、うちはこの点にもこだわっています。割れたお米を取り、お米の粒をそろえるだけで、すごく食感が良くなるんです。」(澤田さん)

消費者においしいお米を食べてほしいという想いが、栽培基準、出荷基準となっています。

「品種」ではなく「人」で売る 架け橋としての小売店

一度は北海道を出た澤田さんが、地元に戻り米穀店を継ごうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

★IMG_9159_RS.png店内の様子。木目調で統一された店内では、
品種はもちろん、生産者ごとに区切られ販売されている

「石川県にいたころ、お米とは全然違う仕事をしていたのですが、石川県は兼業農家さんが多く、農家以外で培ったノウハウを生かし、熱心に米の栽培や販売をしており、北海道とまたスタイルが違うことに驚きました。」

「石川県の農家さんは、米の産地がどんどん北に上がっていることに危機感を持って、売り方を工夫されていました。無農薬であったり、生産者が何人か集まって販売するという、当時、北海道では見たことがないスタイルでした。農協以外に出荷する、自分たちで販路を切り開くという意識の高さとお米に対する想いを聞いていて、米っておもしろいなと思ったのが戻ってきたきっかけですね。」(澤田さん)

それまで澤田さんは、小さいころから見てきた米穀店の仕事を「仕入れたお米を精米して売るだけで何もおもしろくない、魅力がない」と思っていたそうです。
そんな澤田さんに"お米っておもしろい"と思わせたのは、農家さんが消費者を想い、お米をつくっている姿でした。

「生産者が品種によってつくり方を変えたり、土によって肥料を変えたり、消費者のことを想いながらお米をつくっているんだということを知りました。それならば、自分たち小売店の仕事がまだあるんじゃないかと思ったんです。」

生産者の想いを消費者に伝え、消費者の声をきちんと生産者へフィードバックする。これは小売店にあたる米穀店だからこそできること。そうすることで生産者は「来年はもっとおいしいお米をつくるぞ。」とモチベーションUPにつながり、いい循環が生まれているそうです。

澤田米穀店は北海道以外にも契約農家がおり、生産者同士の情報交換の橋渡しも行っています。

「東北では10代目、11代目と歴史が長い農家さんがたくさんいます。そういう方の話を持ち帰ってきて、地元の農家さんにお話しするとびっくりされます。最近ではほかの地方の無農薬栽培の方法などを伺うと、細かくメモするようにしています。」(澤田さん)

生産者はほかの地域の生産者の話を聞く機会が少なく、生産者同士の橋渡し役は、思っていた以上に大きなニーズがあることを感じているそうです。

町を出て気がついた「北斗市」の魅力

店内で使用している木も道南の杉を使っていると話す澤田さんに、地元にこだわる理由を聞いてみました。

「一度外に出て、地元にこんなに良い物があると再認識しました。例えばこの店内の木材もそうですし、日常で購入する農産物など、どうしてわざわざ遠くから注文するんだろうと思ったんです。住んでいると気づきにくいので、お店にきた人が地元の良さを再発見できる場所になれたら良いなと思っています。」(澤田さん)

地元を離れたからこそ気がついた地元の魅力を、道外・道内に限らず伝えていきたいと言っていました。

ふるさと納税で知った新たなニーズと新幹線開通

ふるさと納税を始めて良かったと思うことは、「新しいニーズに気づけたこと」だそうです。

「玄米がこんなに人気になるとは思わなかったですね。」(澤田さん)

店頭販売や特定の取引先では気がつかなかった消費者のニーズに、ふるさと納税に参加することで気がつくことができ、白米と玄米の間のラインアップなど、新しい商品開発に役立てていました。

特栽2㎏×3品種_RS.png人気のお礼品『[北斗市産特別栽培米]ゆめぴりか・ななつぼし・ふっくりんこ各2kgセット』

澤田米穀店はお米のほかに、炊き込みごはんのもとや、ふりかけなども手がけています。

「新幹線が開業して、たくさんの方に来ていただくのにお土産がない。北斗市の特産品がすごく少ないなと思ったんです。」
「それならばお土産をつくろう。つくるならお米のおともをつくりたいと思って、炊き込みごはんのもとやふりかけをつくりました」(澤田さん)

北斗市の特産品のひとつに、という想いでつくられた炊き込みごはんのもとやふりかけもふるさと納税のお礼品になっています。

★IMG_9154_RS.png店頭では、お米のほかにもふりかけなどを購入することもできる

広がる「米」の可能性と北斗市の名産品

積極的に挑戦を続ける澤田さんに今後の展望を伺いました。

「今後はお米の可能性を広げていきたいと思っています。」(澤田さん)

「いままで農家さんが思う良いお米と私たちのが思う良いお米が違っていました。量をつくれば、それだけ収入にもなりますので、農家さんが考える良いお米は"量"。ですが、私たちが考える良いお米は"質"。おいしいお米です。」
「農産物は、同じ面積でたくさんつくればつくるほど、どうしても味が落ちてしいます。"量"よりも"おいしさ(質)"という新しい価値をモチベーションにして、農家さんにとっても、私たちにとっても良いお米をつくってもらえるように『面積買い』という仕組みを考えています。」(澤田さん)

「これまでお米のおかずを考えてきたので、これからは米の加工品をつくっていきたいと思っています。いまは、お米のお菓子をつくろうと考えています。」(澤田さん)
「『お米を食べよう』『消費拡大』といっても限度があるので、お米の違う食べ方を提案することで、お米の消費を拡大し、米農家さんを守っていきたいと思っています。」(澤田さん)

地元のため、米農家のために、澤田さんは米穀店の殻をやぶり、自分ならではの新たな挑戦を続けています。