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ふるさと納税を活用し業績は右肩上がり

農業存続にかける想いと新たな挑戦  愛媛県八幡浜市/株式会社代々橙

佐田岬半島の基部に位置する「四国の西の玄関口」愛媛県八幡浜市。
四国有数の水揚げを誇る魚市場では、年間200種類以上の魚が水揚げされます。また、温暖な気候と地形を生かした柑橘栽培も盛んで、特産品である「みかん」はふるさと納税のお礼品としても高い人気を誇ります。
ふるさと納税参入以降、順調に寄付を伸ばしている背景や工夫について、八幡浜市ふるさと納税推進室の程野さんと園部さんに、また、市の主力お礼品である柑橘類のお礼品を提供している株式会社代々橙(ダイダイ)の菊池代表に話をうかがいました。

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八幡浜市

八幡浜市のふるさと納税

八幡浜市の寄付額は年々順調に増加しており、2025年には、2020年と比較して3倍近くまで増加しています。

―八幡浜市の寄付額が伸張していることについてどのようにお考えですか?

園部さん:本格参入後、掲載サイトを増やしたことで年々寄付額は増加しております。先行受付の早期開始や在庫確保のフォロー対応、Yahoo!ふるさと納税での検索連動型の広告など、さまざまな取り組みが功を奏していると考えています。
特に2025年は、例年6月に開始する先行受付を4月から開始したことで、5~6月の寄付額は、前年同期比5.3倍以上に増加しました。

―人気のお礼品はどういったものですか?

園部さん:特産品でもある柑橘類です。地域の独自品種はなくとも八幡浜市の柑橘が高い人気を誇っているのは、その品質に納得し、満足していただいているリピーターの方が多いためだと考えています。
寄付者満足度向上のため、日々事業者の皆さんと協力し取り組んでいる結果だと嬉しく思っています。

特産品のみかんと主力事業者の取り組み

全国有数のブランドみかんの一大産地でもある八幡浜市。秋には山一面がオレンジ色へと変わります。この「みかん」はふるさと納税の主力お礼品にもなっており、お礼品全体の9割を占めています。

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みかん畑からの景色

そんな八幡浜市で今注目を集める事業者がいます。この地で代々みかん農家を営む「三代目みかん職人」と「OrangeStoreニノミヤ」の両代表が2024年に共同で立ち上げた「株式会社代々橙」(以下「代々橙」)です。

―まずは「三代目みかん職人」と「OrangeStoreニノミヤ」それぞれの会社について教えてください。

菊池さん:「三代目みかん職人」は私が設立した農業法人です。
もともとは、祖父がこの地でみかん栽培をはじめ、その後父へ、そして私が引き継ぎました。だから「三代目」です。当初はみかん農家としてJAなどへの卸しを中心にやっていましたが、自分で商売がしたいという思いから2017年に法人化することにしました。
「OrangeStoreニノミヤ」も同じく八幡浜市のみかん農家です。代表の二宮さんとは、元はテニス仲間です。私が社会人でテニスをやってるときに練習場に来た彼はまだ高校生でした。その後、彼も大学を卒業し、同業者として偶然再会したんです。若いので考え方やトレンドに詳しいんですよね。お互い競い合いつつ協力しあっています。

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「三代目みかん職人」菊池代表

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「OrangeStoreニノミヤ」二宮代表とそのご家族

主力事業者同士がタッグを組み誕生した代々橙

先輩農家である菊池さんと、その背中を見ながら急成長している二宮さん。双方が刺激しあい、相乗効果となって八幡浜市のみかんの品質がますます向上しているように感じました。お互い切磋琢磨しながらもよいライバル企業同士の両社がなぜ協力しあい、代々橙を設立することになったのでしょうか。

―代々橙設立のきっかけを教えてください。

菊池さん:みかんが大好きで、みかん農家を目指しこの地にやってきたのに、その機会に恵まれずにいた女性の存在を知ったことがきっかけです。当時、その農家育成制度は女性は対象外だったのです。また、一からはじめるとなると土地や道具などの初期費用もかなりかかります。ならば農業をやりたいという人が農業をはじめられる場所を作ろうと思いました。
こうして2024年6月に設立、まだスタートしたばかりですが、新しく農業に携わる人がここで働くことで、農業の楽しさ、やりがいを持てるようにしていきたいと考えています。

―代々橙のこだわりは何ですか?

菊池さん:新鮮なみかんをすぐにお届けできるスピードです。直接販売しているため、大体翌日には発送できるのが強みです。代々橙では、訳あり品をメインに取り扱っていますが、敢えて「訳あり」を求める方も多く、そのコスパの良さも評価いただいているポイントだと思います。また、加工品も作っており、問屋を通じてスーパーやサービスエリア、お土産屋さんなどにも出しています。

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「代々橙」仲山さん

ふるさと納税への取り組みについて

―ふるさと納税参入と、それによる変化や影響を教えてください。

菊池さん:八幡浜市がふるさと納税を始めた頃に私も参入しました。参入後、寄付額は年々右肩上がりで一度も前年を下回ったことはありません。さとふる様との連携によって、ふるさと納税の売上は全体の7割を超えるまでに成長しています。業績が堅調なおかげでもともと作業をしていた倉庫が手狭になり、今ではより広い倉庫を構えています。

「三代目みかん職人」は、今やさとふるに掲載している八幡浜市事業者の中でもトップレベルの寄付実績を誇り、他社を牽引する存在となっています。

―レビュー数がかなり多いですが、何か理由はありますか?

菊池さん:レビューは資産だと思っています。ネットで買い物をする時、レビューをチェックする方は多いと思いますし、判断材料の一つにもなります。まずは数を集めるために、「レビューを書いてくれたら自社サイトで買えるクーポンをプレゼントします」といった内容のチラシをお礼品に同封しました。そして「それを公式ラインで知らせてくれたらクーポンを送ります」という仕組みにしています。そうすることでさとふるのレビューも増えるし公式ラインのお友達も増え、リピーターにもつながる。こういったことを地道にずっとやっています。あんまり真似されたら困りますけどね。(笑)また、気をつけていても、配送時の衝撃で傷がついた、受け取りのタイミングで割れていた、など寄付者様から直接クレームが入ることがあります。相手が求める以上の対応を心がけています。その対応を評価いただき、クレーム対応からよいレビューをいただくケースもありますし、リピーターになってくださる方もいらっしゃいます。

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お礼品ページには1700件を超えるレビューが掲載されている

一方、「OrangeStoreニノミヤ」も、ふるさと納税参入は2021年~と後発ではあるものの、競合も多いみかん・柑橘業界の中で順調に寄付を伸ばしており、2024年10月にはさとふる「柑橘カテゴリ」で「まどんな」が月間1位を獲得するなど新進気鋭の事業者です。

―「OrangeStoreニノミヤ」はふるさと納税による変化や影響はありましたか?

菊池さん:実は始めた頃は全然寄付が入らなかったんです。でも、公式ラインでお礼品をPRしたり、サイト画像を工夫したりと、寄付者の目に留まるようなロジックをいろいろと予想して試行錯誤を繰り返し、今では「柑橘カテゴリ」でランキング上位に名を連ねるまでに成長しました。

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柑橘カテゴリでランキング1位を獲得した「まどんな」

寄付者の声を大切にしたクレーム対応や心遣いについては、自治体職員からも同じ意見が聞かれました。

程野さん:市へクレームが入った際には、早急に事業者へも共有します。傷んでいた、腐っていたなどの場合はすぐに再送し寄付者様が納得できるような対応を心がけていますし、各事業者も素早く対応してくれています。また、原因を調査し、緩衝材を多くする、梱包方法の強度を上げるなどの対応と、他事業者へも事例の共有をしています。

園部さん:代々橙のお二人とも、人気お礼品やレビューの研究、新規お礼品の構想などの情報交換をしています。事業者様あってのふるさと納税。市は可能な限りサポートし、これからも事業者様と協働していけたらと思っています。

地域事業者連携と今後の展望

事業者との連携により、着実に寄付を伸ばしている八幡浜市。
今後の展望についてうかがいました。

―今後の目標について教えてください。

程野さん:さとふるのおまとめらくらくサービスは助かっています。これまで自治体で対応していた一連の業務をさとふるが引き受けてくれることで負担が軽減しました。一時期寄付額が下がり、伸び悩んだ時期もありましたが、さとふるによる事業者の開拓やお礼品開発により、事業者も取り扱いお礼品も増えています。

園部さん:ふるさと納税の市場自体も大きく伸張していますし、市として、先行予約の時期を早めるなどいろいろな施策を実施した効果も出ています。今後も事業者様やさとふるとの連携により八幡浜市の魅力を発信し、お寄せいただいた寄付金は八幡浜市の未来づくりに活用していきたいと思っています。

菊池さん:農業はきついというイメージがあり後継者不足に悩む高齢者も多く、離農者も多いのが現状ですが、今ではAI活用なども始まっています。農業を守るために、まずはみかんを適正価格で販売できるようにする。それによってきちんと儲けが出れば、雇用創出にもつながります。農業が魅力ある職業だと感じられるようになれば跡を継ぐ若者も増えてくると思います。
ふるさと納税は、単価が予め決まっており中長期での売り上げ試算が可能になるので経営計画も立てやすくなります。さとふるとの連携も相まって、もともと家族経営の個人事業だった弊社も法人化を果たし、農業で人を雇用するという次のステージへと進むことができました。人を雇い、体制を整えることで、今や社会問題となっている耕作放棄地の増加にも歯止めをかけるべく、弊社自らが地域の産地を守る立場として取り組んでおります。
そして何より、農業ビジネスとして成果を上げることで「自分もみかんで挑戦してみたい」と志す若者が少しずつ増えてきています。これは、みかん産業の未来を守り、地域の過疎化に歯止めをかける大きな力になると信じています。

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