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2021/02/17

地域ごとの嗜好をキャッチし、リピーター獲得に取り組む

富岡水産 漁獲量激減・コロナ禍の荒波で奮闘する創業50年以上の水産加工会社

日本本土最西端に位置する佐世保市は、県内では長崎市に次いで2番目に人口が多く、長崎県北部の中心都市です。佐世保市の海辺のまち東浜町には現在6軒の加工場が軒を連ねています。その1つが50年以上前に水産加工をはじめた有限会社富岡水産です。伯父である社長を支える冨岡泰裕さんにふるさと納税の効果や新型コロナウイルス感染拡大による影響について伺いました。

1_風景 (2).jpg

富岡水産独自の職人技でつくる『あごフライ』

富岡水産は1950年頃にいりこ加工からはじまり、1972年に現在の2代目の冨岡和人社長が有限会社を立ち上げ、約20名の従業員とともに営んでいます。現在は日頃から食べてもらいやすい干物や一夜干しの加工・販売をしています。

親族である常務が考案した『あご(飛魚)フライ』は、職人の熟練の技で大きな骨やヒレを全て手作業で取り除いており、ほかでは味わえない富岡水産自慢の逸品です。あごは丸干しで焼いて食べることが長崎の風習でしたが、世代が変わり丸干しが売れなくなったことから全世代好んで食べるフライにすることを思いついたのが商品開発のきっかけとのこと。あごフライは、あごの魚本来の旨味、弾力性があり、臭みもなく、定番のアジフライより美味しいとの声もいただいているそうです。

2_あごフライイメージ.jpg長崎産あご(飛魚)フライセット 
長崎県の近海で獲れたあご(飛魚)を使い鮮度抜群。5枚入りが5袋も入っている

3_作業 (2).jpg大きな骨やヒレを全て手作業で取り除いている

リピーター獲得のための工夫と気遣い

2代目社長の甥である泰裕さんは市内の高校を卒業後、九州で大学進学・就職していましたが、7年前のお盆の帰省時に、伯父からの誘いで会社を手伝うことになりました。泰裕さんは会社全体の指揮をしながら、自社を含めたECサイト運営や、ふるさと納税のお礼品受注を専任しています。

「ECやふるさと納税サイトなどのインターネットでは、まず商品説明において誇大広告のようにならないよう適切な表現を心がけています。誇張表現はクレームにつながるリスクがあり、またお客様との信頼関係も築きにくく、リピートしていただきにくいと感じています。次に、受注バランスにも注意を配っています。生産量よりも多く受けてしまうと商品準備に間に合わず配送遅延につながってしまうため、お客様にご迷惑をおかけしないよう気を付けています」

ほかにもふるさと納税を含め、EC運営で気を配っていることがあるそうです。

「お礼品ページなどにある商品の感想やレビューを参考にしています。複数の魚種を組み合わせた干物のセットなどで『この魚がおいしかった』というような特定の魚への高評価のレビューが多ければ、それを反映し、組み合わせを決めることもあります。 『さとふる』は他社サイトと比較しレビュー数が多く、レビューが多いお礼品に寄付が集まりやすいため、そのことが寄付申し込み増加につながっていると感じています」

こうした取り組みにより、ふるさと納税においてもリピーターが増えていると実感しているとのこと。細かな工夫や気遣いが佐世保市のふるさと納税で人気が高いお礼品を生んだ秘訣といえます。

4_泰裕.jpg会社全体の指揮や自社を含めたECサイト運営を専任する冨岡泰裕さん

5_レビュー画像.jpg「富岡の西京漬け・干物セット」のお礼品レビュー 
56件ものレビューが集まっている※2021年2月15日時点

レビューから関東と九州のニーズの違いをキャッチしお礼品開発に活かす

泰裕さんが入社した2、3年後から全国的に漁獲量が落ち込み、同社もその影響を受けています。特にアジ、サバ、金目鯛などの漁獲が落ち込み、原料が高騰してしまいました。贈答用に昔から使用してきた甘鯛も3年ほど前に漁がなくなり製造できなくなりました。

「魚が減ってきているので、1尾当たりの単価を上げて利益を上げる工夫が必要です。ここ数年の売り上げは漁獲量の減少により横ばいか微減ですが、ふるさと納税があったおかげで収入を確保することができました。設備が全体的に老朽化していたため、ふるさと納税の収益を活用し、少しずつ新しくしています。具体的には、金属探知機や魚を捌く機械などの導入に投資することができました」

ふるさと納税が事業継続の支えとなっていることがわかります。

現在、同社の主な販売経路は福岡・長崎のスーパー、小売店や飲食関係などへの卸売りで、収益の7割前後を占めています。残りの3割が自社サイトや直売所での小売りです。小売りはふるさと納税を含め、卸値ではなく小売価格で取引することができ、利益率がよいことからふるさと納税への期待も高まっています。そのほかにもふるさと納税による副次的効果があったそうです。

「佐世保市のふるさと納税担当課から、関東では白身魚が人気と聞き、通常販売していなかった白身魚のセットを作りました。九州では青魚が人気であることから、新たな発見でした。白身魚セットの中に入っている『あみかれい』は長崎ならではの珍しい魚。噛めば噛むほど旨味が出てきます。以前は3種類でしたが、あみかれいを追加したことで、より長崎らしいお礼品になりました。同様に西京漬けなどの味噌漬けした魚は、九州ではあまり馴染みがないのですが、関東のお客様からは人気があることをEC運営の中でキャッチしました。ふるさと納税のお礼品でも提供を開始したところ、一番人気のお礼品となりました」

6_高級魚2.jpg富岡の高級白身魚干物4種セット

7_西京漬けイメージ.jpg富岡の西京漬け・干物セット

コロナ禍で漁師の廃業が相次ぎ、事業継続へ不安が募る

2020年より猛威をふるっている新型コロナウイルス。感染拡大による影響はあったのでしょうか。

「自社収益のうち、ホテルや飲食店への卸しは少ないものの、休業の影響で一時はその分の収益は9割ほど減少しました。また、佐世保市で毎年12月に開催されている『長崎県水産加工振興祭』ではお歳暮用に注文いただくことが多かったのですが、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり、そこで見込んでいた収益を得られませんでした」

現時点での影響もさることながら、今後の事業継続についても不安を抱えています。

「長崎県でも漁師の廃業が増えていて、入荷できない魚種が出てくるほどです。これが続くと水産加工が続けられなくなるのではと不安を感じています。漁獲量減少に加えて新型コロナの感染拡大と業界全体で厳しい状況が続いていますが、従業員にはそれぞれの生活があり、中には40年以上働いてくださっている方もいらっしゃいます。今後状況を好転させていかなければと感じます」

と力強い言葉を聞くことができました。幸いにも、巣ごもり需要の影響もあり、ECでは売り上げが伸びているそうです。8_スタッフ画像.jpg

富岡水産の加工場で働く女性スタッフの方々

地域に根付いた活動を続けたい

9_直売所入り口.jpg富岡水産オフィス横の直売所

佐世保市のお礼品提供事業者として以外にも、同社では年に1回地元の小学校の社会科見学を受け入れ、地域に貢献しています。

「ECを通じた販売を続けながらも、継続して県内スーパーや道の駅などに出品するなど、地域に根付いた活動を続けたいと思っています。ふるさと納税では、リピートしてくださる方も多くいらっしゃり大変感謝しています。美味しい魚を美味しい状態で提供することに注力して今後も多くの方に届けられるよう努めていきます」

一度は地元を離れた泰裕さんですが地域への想いが感じられました。「あごフライ」や「あみかれい」といった地産のお礼品をこれからも広めていってほしいです。