愛知県西尾市 事業者とともに歩む、一色産うなぎとふるさと納税の挑戦
愛知県西尾市は、一色産うなぎや西尾の抹茶、三河一色えびせんべいなど、全国に誇る地域ブランドを有するまちです。2025年度はふるさと納税受入額30億円規模と過去最高額を記録するなど、多くの寄付者から支持を集めています。
こうした成果の先に西尾市が目指しているのは、寄付額の拡大だけではありません。ふるさと納税を「シティプロモーションの一つ」と位置付け、お礼品をきっかけに地域との接点を生み出し、関係人口の創出につなげたいと考えています。
今回は、西尾市総合政策部秘書政策課の長瀬さん、浅田さんに地域ブランド発信への思いや、事業者・さとふると連携して取り組むふるさと納税の現在地についてお話を伺いました。
三ヶ根山からの景色
ふるさと納税で西尾市を知ってもらいたい
西尾市は、北に三ヶ根山、南に三河湾を有する自然豊かなまちです。一方で、自動車関連産業をはじめとした製造業も盛んで、働く場所と暮らしやすさのバランスが取れた地域として知られています。
また、一色産うなぎや西尾の抹茶、三河一色えびせんべいなど、全国的な知名度を持つ特産品にも恵まれています。
こうした地域資源を広く知ってもらう手段として、西尾市が重視しているのがふるさと納税です。
長瀬さん:西尾市では、ふるさと納税を一つのシティプロモーションと捉えています。うなぎや抹茶、えびせんべいを手に取っていただき、おいしさを知ってもらうことで、西尾市そのものの魅力も知ってほしいと思っています。
お礼品を通じて地域を知り、興味を持ち、実際に現地を訪れてもらう。西尾市はふるさと納税を単なる財源確保の仕組みではなく、地域のファンづくりにつながる取り組みとして捉えていることがうかがえました。

西尾市総合政策部秘書政策課の浅田さん(写真左)と長瀬さん(写真右)
地域の魅力を届けるための連携
西尾市のふるさと納税を支えているのは、自治体だけではありません。
お礼品を提供する事業者や配送手配や、寄付者問い合わせ対応などの中間事業者業務を担うさとふるなどの関係者と連携しながら、地域の魅力をどのように発信していくかを日々考えているそうです。
長瀬さん:ふるさと納税は自治体のやる気だけではどうにもできません。また、さとふるさんのように熱意をもって密に連絡をくれる会社とは、自然と「一緒に寄付を伸ばしていきたい」となり、「寄付を伸ばすにはどうしたらよいか」と活発な議論を行いました。さらに、西尾市にはやる気のある事業者さんが多くいらっしゃり、ふるさと納税に関する相談をよくしています。
浅田さん:事業者さんやさとふるさんを含めて、西尾市ではみんなが同じ方向を向いて取り組めていることが大きいと感じています。

西尾市総合政策部秘書政策課の浅田さん(写真左)と長瀬さん(写真右)
こうした関係者との相談や連携を通じて、2025年には「母の日企画」や「土用の丑の日企画」が生まれ、2025年度の西尾市のふるさと納税は過去最高の30億円を記録したそうです。
また、企画に取り組むことによる効果は寄付額だけではありませんでした。
長瀬さん:企画を通じて事業者さんとの接点が多数生まれました。事業者さんからアイデアをいただくなど、関係性が深まったことも大きな成果だったと感じています。
事業者との対話を重ねながら、新たなお礼品や発信方法を考えていく。その積み重ねが、今日までの西尾市のふるさと納税を支えています。

2025年に実施した企画例
本場・西尾市から発信する「一色産うなぎ」と、新たなブランド「艶鰻(えんまん)」への期待
西尾市を代表する特産品の一つが、一色産うなぎです。
特許庁の地域団体商標にも登録されているブランドで、全国の飲食店や専門店から高い評価を受けています。
西尾市には約20のうなぎのお礼品提供事業者がいます。それぞれが独自のこだわりを持ちながら養殖や加工に取り組んでいます。
長瀬さん:一色産うなぎは、西尾市が胸を張っておすすめできるお礼品です。作り方や味、食べ方にもそれぞれ特徴がありますので、食べ比べをしていただくなど、選ぶ楽しみがあるのも魅力だと思います。
一色産うなぎの養殖風景
長瀬さん:西尾市の事業者さんたちは、より良いうなぎを届けるために日々研究を重ねています。時間をかけて丁寧に育て、大きく品質の良いうなぎを全国へ送り出しているんです。
そうした生産者や事業者の努力があるからこそ、自治体としてもその価値をしっかり発信していきたいと考えています。
本場である西尾市から魅力を届けることで、一色産うなぎを育ててきた皆さんの頑張りも知っていただけたらうれしいですね。
ふるさと納税は、その魅力を全国へ届けるための重要な発信の場と考えているそうです。

一色産うなぎ
近年、一色産うなぎでは新たな挑戦も始まっています。
2024年10月に誕生したブランド鰻「艶鰻(えんまん)」です。
通常はオスのうなぎが多いところを、研究の成果によって生産が可能になったメスうなぎで、脂のりが良く、ふっくらとした食感が特徴とされています。
長瀬さん:生産者の皆さんが長年研究を重ねてきた挑戦が、「艶鰻」という新しいブランドにつながり、一昨年前にリリースされました。西尾市としても、プレスリリースやお礼品としての展開など、生産者とともにブランドの認知向上に取り組んでいます。
西尾市では11月22日を「三河一色うなぎの日」に制定し、2025年には「いい夫婦の日」と「艶鰻(えんまん)」を掛け合わせたPR施策もスタート。新たな地域ブランドとして期待が高まっています。

「艶鰻」お礼品ページ
「ONE NISHIO」で地域ブランドの未来をつくる
ふるさと納税を取り巻く環境は大きく変化しています。
長瀬さん:「2025年のポイント付与の廃止」がふるさと納税にとっての大きな転換点になったと感じています。以前から取り組んでいることではありますが、このタイミングで改めて本来のふるさと納税の趣旨に立ち返るきっかけになりました。
新たな転換期を迎える中で、西尾市が重視しているのは「どうすれば西尾市のふるさと納税を見てもらえるか」「寄付につながるのか」という視点です。
SNSやPR施策などを通じて、まずは地域の魅力を知ってもらうことが重要だと考えているそうです。
長瀬さん:私たちには絶対的に自信のあるお礼品がありますが、ただ、良いものを作っても見てもらえなければ意味がありません。全国1700超の自治体100万点前後のお礼品があるといわれる中で、どうしたら西尾市の良さを知ってもらえるか。非常に重要なパートナーであるさとふるさんや事業者さんたちと、「ONE NISHIO」として今後も取り組みを続けていきたいです。

西尾市の特産品
自治体だけでなく、事業者や生産者、そしてさとふる。それぞれが同じ方向を向きながら地域ブランドを育てていく。
「ONE NISHIOとして、一緒に取り組んでいきたい」
という長瀬さんの言葉が印象に残りました。
一色うなぎをはじめとする地域ブランドの魅力を全国へ届けたい。その思いのもとで進められる西尾市の取り組みに期待しています。
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愛知県西尾市のお礼品一覧

