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2025/03/31

千代田区が挑むふるさと納税 地域の魅力を引き出す新たな一歩

東京都千代田区 さとふると共に地域の宝を掘り起こす

東京都千代田区は、江戸城の面影を残す皇居や霞が関の官庁街、東京駅や丸の内周辺のビジネス街を有する歴史と現代が交錯する多様な地域です。ふるさと納税による税の流出が課題でしたが、地域の魅力を再発見するきっかけとして、2024年10月から株式会社さとふると連携し、お礼品提供を伴うふるさと納税を開始。2024年は3か月で目標を大きく超える寄付を集めました。取り組みを進める総務課の橋本さん、岡田さんに思いを伺いました。

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昼と夜で異なる顔を持つ千代田区

千代田区の魅力について、岡田さんはこう語ります。「皇居を中心に、神保町の古書店街やカレーの名店、秋葉原のサブカルチャーなど、地域ごとに多様な要素が詰まっています」一方、橋本さんは昼夜の人口差に注目。「昼間は通勤通学や観光で約90万人が滞在しますが、夜間人口は6万8千人ほど。10倍以上の開きがある自治体は珍しいのではないでしょうか」と話します。

「ふるさと納税を通じて千代田区を好きになって、『住みたい』と思ってくれる人が増えれば嬉しい」と橋本さん。将来的な定着人口の増加を見据えつつ、まずは地域の魅力を伝える第一歩としてふるさと納税に取り組んでいます。

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電子商品券と体験型お礼品で挑むふるさと納税

2024年10月1日から「さとふる」と連携しスタートした千代田区のふるさと納税。初年度ながら、10月~12月の3か月で寄付額は9億円を超え、当初見込みの5000万円を大きく上回る結果となりました。岡田さんは「1億でも万々歳と思っていたので、9倍の数字に衝撃を受けました」と驚きを隠せません。一方、橋本さんは「千代田区のポテンシャルを考えればまだまだ」と冷静に振り返ります。

人気の鍵は「PayPay商品券」などの電子商品券です。橋本さんは「寄付者が千代田区を訪れて使う仕組みは、直接の来訪につながる有効なツール」と導入の理由を説明。さとふるが提供するこのサービスは、新たなシステムの導入や特別な設備は不要で導入しやすいことが利点です。寄付者自身も普段使用しているPayPayアプリ内で完結するため、自治体・事業者・寄付者の3者に負担が少なく使いやすいことが特徴です。岡田さんも「通勤通学や観光で昼間90万人が訪れる区ならではの利便性が寄付者に刺さった」と手応えを感じています。実際、電子商品券への寄付が圧倒的に多く、さらに飲食店やホテルの利用券も注目を集めました。

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千代田区のPayPay商品券
5,000円(1,500円分)から最大500,000円(150,000円分)まで、バリエーション豊かな寄付額が用意されている

 

PayPay商品券以外のお礼品も好評で、ふるさと納税の寄付締め切り間際である年末に登場した区内メーカーの家電は大きな反響を呼び、日比谷松本楼のカレーや神田のそば打ち体験も人気に。「千代田区には特産物がないと思われがちですが、企業が多い強みを活かし、電化製品や雑貨、体験を提供できると気づきました」と岡田さん。実際に多くの反響を受けていることから、事業者からは「次はこんなお礼品を」と提案が寄せられるなど、新たな連携が生まれています。

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日比谷松本楼のカレー(左)と神田のそば打ち体験(右)

ふるさと納税による自治体と地域事業者の変化

ふるさと納税に初挑戦した千代田区ですが、担当者にも変化がありました。担当になるまで制度を利用したことはなかったという橋本さんは「PayPay商品券を知り、『これは導入しない手はない』と思いました。人が何かを好きになるとき、そこには実体験が伴うもの。直接来訪していただき五感でリアルに体感することが、地域への愛着に繋がる鍵だと気づけたのは大きかった」と振り返ります。岡田さんも「事業者と直接やり取りし、お礼品がサイトに載って寄付につながるのを見ると、やって良かったと感じます。千代田区のポテンシャルの高さを改めて実感しました」と喜びを語ります。

既存事業者からの提案に加え、新規事業者からも「うちもお礼品を出したい」と問い合わせが増え、現在総務省へ申請中の約50件が通れば、さらにバリエーションが広がる予定です。「ジャンルも多彩で、見ていて楽しいお礼品が増えていくのが楽しみ」と橋本さん。さとふるとの協力で事業者との顔の見える関係も生まれ、「街の息遣いを感じられるのが嬉しい」と感じています。

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佐藤総務課長(前列中央)、橋本さん(前列右から2番目)、岡田さん(前列左から2番目)
千代田区のふるさと納税を支える税務・広報・財政・契約・会計・システムの各部署の皆さんと

岡田さんは「さとふると連携することで、事業者との調整や提案がスムーズに進み、ゼロからの挑戦を支えてもらいました」と語り、二人三脚での取り組みが成果を上げていることを実感している様子が伝わってきました。

さらに、千代田区がさとふるを選んだ一番の理由はサポート体制です。岡田さんは「ふるさと納税の担当者は現在2名のため、複数のサイトを運営するのは非常に困難でした。しかし、さとふるなら他のふるさと納税サイトも含め業務を一括してサポートしてもらえる。自治体の負担を大幅に軽減できた点も導入の決め手となりました」と語ります。少人数の職員でもふるさと納税を運営できる体制が整ったことが利点となっています。

千代田区らしい魅力を発信

今後の目標寄付金額について伺うと、岡田さんは「来年度は1.2倍の約11億円を目指したい」と控えめに、橋本さんは「16億円を狙う」と意欲を見せます。新たなお礼品開拓も進んでおり、年末に好評だった家電では新たなお礼品を提供する事業者を探す動きも。さらに、区長がこだわる「千代田区らしさ」を反映したお礼品も増やします。例えば、老舗店のお礼品登録を進めるため、さとふるに協力を依頼。「リストアップした事業者にさとふるからふるさと納税への参加を打診してもらい、現在申請中のものもあります」と岡田さん。歴史あるものと最新の要素をバランスよく揃える方針です。

さらに、エリアごとのPRにも挑戦。橋本さんは「エリアごとの特徴を紹介して、その良さが体験できるお礼品にはこうしたものがあります、とストーリー性を持った広報をしていきたい」と構想を明かします。本とカレーの街の神田神保町、スポーツ用品店街の小川町や楽器店街の御茶の水、ポップカルチャーの秋葉原など、千代田区の多面性を「面」で打ち出すことで、「面白い区だな」と感じてほしいと願っています。

寄付金の使い道は現在「区政全般」としていますが、「お礼品なしで応援したい団体への寄付を可能にする仕組み」を令和7年度に開始予定です。また、リピーターを増やす研究も進めます。「地域経済の発展と、千代田区を好きになる人を増やすために制度を活用したい」と二人は口を揃えます。

最後に、岡田さんはこう呼びかけます。「千代田区には新しいもの、歴史あるもの、サブカルチャーなど多様な魅力があります。ふるさと納税でそれに触れ、『これも千代田区なんだ!』と知っていただければ嬉しいです。縁のある方も『頑張っているな』と思えるよう、応援をお願いします」橋本さんも「千代田区を好きになる人が一人でも増えることが最高の喜びです」と笑顔で締めくくりました。

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