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2018/10/22

「朝倉」の新しい名産品をめざして

確かな品質の美味しい鶏を届ける 天野商店

創業明治20年。もともと米づくりを行っていた天野商店がブロイラー事業を経て、無農薬飼料、抗生物質無投薬の「古処鶏(こしょどり)」を育てる理由と「ふるさと納税」にかける想いを天野商店の横島さんに伺いました。

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食は何よりの良薬 
人間が食べるものは必ず安全でなければならない

昭和38年にブロイラー事業に着手し、昭和61年にはブロイラー事業とは別に薬品を使わずに独自の飼育方法で育てる鶏の研究を始めました。

時代がより効率性を求め、経済の発展を追求する中、生産性よりも安全性を大事にしようと、朝倉市にある古処山の麓で無農薬飼料、抗生物質無投与の鶏の飼育をはじめ3年かけて誕生したのが「古処鶏」です。

当時の時代の流れとは真逆とも言える選択ですが、できるだけたくさんの鶏を売って経済的に潤沢になるよりも、この土地の自然の力を信じて、確かな品質の美味しい鶏を届けようと、鶏本来の滋味を伝えることに使命感を持って活動されています。

「食は何よりの良薬、人間が食べるものは必ず安全でなければならない。というおもいで仕事をしています。」(横島さん)

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天野商店 横島晴夏さん

愛情をもって育てる「鶏飼う人 古処鶏」というブランド

「我々は生産をするという立場ではなく、鶏を飼う人間です。愛情をもって鶏を育てる活動をしています。」(横島さん)

古処鶏は長い時間をかけて育てられます。平飼いと言って、鶏は地面を自由に歩き回れる場所で自然の恵みを享受しながら育ちます。

「ブロイラーは成長を早めるために動物性の餌を与え、通常、日齢40日~50日で出荷されるのに対し、古処鶏は日齢70日と20日程度長い飼育期間になっています。」

「動物性の物は全く与えず、餌にもこだわっているので、臭みがなく脂肪分がさっぱりとして甘みが出ます。飼い方も平飼いで自由にストレスなく育っているので、程よい筋肉がついて、良い意味での歯ごたえもあり、銘柄鶏の中でも味を楽しんでいただけると思います。」(横島さん)

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「鶏飼う人 古処鶏 水炊きギフトセット」の調理イメージ写真。
鶏そのものだけではなく、濃縮スープにもこだわり、
古処鶏のガラと玉ねぎだけで作られている

★_IMG1625_RS.png「水炊きギフトセット」の鶏は一度表面を焼き、
旨みを閉じ込めてから加工している

天野商店のこだわりは、飼育から加工、出荷までを一貫して行っていることと、最新の技術と安全性です。

「最近、機械を最新型に変えました。4月にはHACCP衛生管理システムの認証を受けています。プラスアルファ安全担保と付加価値を商品の魅力に繋げていければなと取り組んでおります。どう付加価値をつけていくかと、安全性の担保をつけていくということが非常に重要だと思っています。」(横島さん)

HACCPによる衛生管理は、危害要因を各工程において分析し、重要な工程を重点的に管理することで、最終製品が安全であることを証明するものとなり、消費者に確実に安全な製品を提供することが可能となります。

ふるさと「朝倉」に 土地の名産品をつくりたい

古処鶏の飼育にはとても手間暇がかかっており、鶏の数が足りていない状況です。

そんな中で、ふるさと納税のお礼品として古処鶏をご提供いただいている理由を伺いました。

「朝倉の特産品には果物が多いので、鶏肉という新しい特産品を作り、朝倉に貢献できればと思っています。地域に貢献したいという想いでふるさと納税のお礼品にさせていただいています。」(横島さん)

「ふるさと納税のお礼品提供を始めた事で、『古処鶏』に新たな広がりがありました。サイトを見て『古処鶏』の存在を知り、取り扱いを始めて貰える企業様やお客様が増えました。実際に朝倉に貢献できているというのも嬉しいですね。」(横島さん)

少ない数の鶏をお礼品として提供されている姿勢に、地域に貢献したいという想いが伝わってきます。

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ふるさと納税のお礼品にもなっている「水炊きギフトセット」の梱包作業。
丁寧に1つずつ手作業で行っている

福岡県産の復活 直営の養鶏場と後継者の育成

「福岡で商売しているので、福岡県産の鶏がいないのはおかしいのですが、もともと福岡にあった契約農家さんの高齢化と後継者がいないという理由で、養鶏場を続けて行けず、今は熊本と大分の2件で鶏を育てています。」(横島さん)

古処鶏はじっくりと時間をかけて良い飼料と環境で育てる事から生産に時間がかり、抗生物質、合成抗菌剤も一切投与しないため、病気にかかりやすいというハイリスクな中で飼育するので、それに共感する生産者が少ないのが現状です。

福岡県産復活と手間を掛けて育てる事の良さを理解し、その価値が解る人を増やして行くために、天野商店は動き出しています。

「福岡県産の鶏がいない事を解決する為に、となり町になる筑前町の町有地を利用することで話がまとまりまして、600坪くらいの直営の鶏舎を立てて福岡県産を復活させます。生産のバランスが崩れ、数が不足していますので、商品の安定供給も踏まえ、直営で鶏をコントロールしていこうとしている状況です。」

「後継者不足という問題も、会社として経営することで払拭できると思っています。」(横島さん)

朝倉市と筑前町。隣の町の力を借りて一緒に取り組んでいこうと、地域に根付いた生産をひとつのコンセプトとして、歩み始めた天野商店の活躍が今後も楽しみです。