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2018/11/19

「玉名の魅力を全国へ」生産者に伴走する市役所職員

「玉名市(たまなし)産」を届ける

全国一のミニトマトの出荷量を誇る熊本県の玉名市。2019年放送予定の大河ドラマ『いだてん』の舞台としても注目を集めています。今回は、玉名市役所地域振興課の德丸さんに、ふるさと納税により起きた変化を伺いました。

IMG_1798_RS.png玉名市役所 企画部 地域振興課 徳丸 剛史さん

待ちの姿勢から、自ら外に出ていく姿勢に

玉名市役所では、2018年度から新たに地域PRなどを担うセクションとして「地域振興課」を新設しています。ここで主にふるさと納税の対応をしているのが德丸さんです。徳丸さんは、ふるさと納税を巡る玉名市の変化をこのように振り返りました。

「もともと、地域振興課ができる前の平成26年度から27年度にかけては、市から業者に委託して寄付に対するお礼品の送付はしており、平成28年度から『さとふる』で受付を開始しました。ただ、当時は市の職員がふるさと納税のために外回りなどを積極的に行うことができなかったため、いわゆる"待ち"の姿勢だったと思います。

しかし、ふるさと納税で市外に寄付をする市民の方がだんだん増えたことで、より積極的に玉名市でもふるさと納税に取り組まなくてはならないという意識が高まり、地域振興課が創設されました。その影響により、以前より積極的に事業者を増やす取り組みを行うようになり、現在は農家の方を中心に、地元の旅館や食品加工業者さんなどにご協力をいただいています。

最近は私も事業者の方などとお会いする機会がかなり増え、時期によっては毎日のように出ていますね。やはり出品していただける方々との信頼関係は重要ですから、これからも継続したいと思います」(德丸さん)

消費者の声が生産者に良い刺激を与える

玉名市のこのような取り組みもあって、ふるさと納税で提供しているお礼品は30品目以上に増えました。この影響を受けて、玉名市への寄附額は前年度比2.5倍(2018年度4月から9月の累計)にアップ。こうした成果は、市内の農家にも良い影響を与えていると德丸さんは話します。

「『さとふる』のページで消費者の方から好意的なコメントをいただくこともあり、農家さんの励みになっているようです。なかには、『ふるさと納税ではなく、直接ミニトマトを買いたい』といった問い合わせも来ているようですね。ふるさと納税がきっかけで、味や梱包などをさらに工夫される農家さんも出ているので、良い影響が広がっていることを感じます。

ただ、農家さんのなかには、ふるさと納税に取り組むことに躊躇されている方も少なくありません。やはり、農作物をコンテナにつめて市場等に出荷してきた農家さんとしては、商品を梱包して直接消費者に届けるという手順にまだ慣れていませんからね。

ですから、まずはBtoCのビジネスにも積極的な農家さんを中心に成功事例を生み出し、そこから他の農家さんにも広げていきたいと考えています。実は玉名の農家さんのなかには、若くして農業をビジネスとして成功させている方もいらっしゃるので、そういった方たちの力も借りていきたいですね」(德丸さん)

iきらめき(ミニトマト)_きらめきたまな_RS.png

ふるさと納税のお礼品「ミニトマト3kg」
『さとふる』のレビューには「本当のミニトマトの味を知りました」
などのリピーターの声が寄せられている

「玉名市」の名前を全国に広めたい

「ふるさと納税は、玉名市のPRをするうえでも効果的です。たとえばミニトマトを求めている方が、ふるさと納税を通じて初めて玉名市を知るということもあると思います。市場に出回っている玉名産のミニトマトの多くは『熊本産』として販売されているものですから、ふるさと納税で玉名産のミニトマトの知名度が上がれば、農家さんのやる気にもつながるのでは、と期待しています。

ミニトマトに限らず、ふるさと納税は玉名市を知ってもらえるチャンスです。市役所でも地域振興課ができたこともあり、部署を超えて盛り上げていこうという空気になってきました。たとえば文化系のイベントを開催する部署から『ふるさと納税のチラシをイベントに持っていくね』と声をかけてもらうこともあり、なかには高校の同窓会でチラシを配ってくれる職員もいましたね」(德丸さん)

玉名市は、ふるさと納税の寄付金を、市内の公園におけるサクラの植栽や、大俵ころがしや納涼花火大会などのイベントなど、市のPRのために活用しています。さらに、今後の予定として新たにフルマラソンの大会を開催する準備も進めているとのことです。

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五穀豊穣に感謝する祭りとして毎年開催される「玉名大俵まつり」の
メインイベント「大俵ころがし」の様子

「ふるさと納税の寄付金については、寄付者に使いみちを選んでいただいていますが、2018年10月から新たに『マラソンによるまちづくり』という項目を加えました。これは、2019年に放送予定の大河ドラマ『いだてん』の主人公の一人が、玉名出身の"日本マラソンの父"の金栗四三氏であるため、これに合わせたものです。

もともと玉名市には『いちごマラソン』という、いちごやミニトマトを食べながら走る大会があり人気を集めているのですが、2020年からはフルマラソンも加わるので、さらに盛り上げていきたいですね。

このマラソン大会や、ふるさと納税をきっかけに、玉名市のことを知っていただき、まずは市外の方にも足を運んでいただけると嬉しいです。そこから移住や定住につながるきっかけになってほしいと思いますし、そのためにも、これから事業者と一緒になって頑張っていきます」(德丸さん)

第41回いちごマラソン大会の写真 16枚目_RS.png第41回いちごマラソン大会の写真 52枚目_RS.png

2018開催の「第41回横島町いちごマラソン」の様子。
2020年のフルマラソン大会に向け、今年8月には「フルマラソン大会準備係」を新設した

今年の夏、真っ黒に日焼けするまで事業者の元へ足を運び続けた徳丸さん。徳丸さんをはじめとする玉名市職員の今後の取り組みに注目です。