シーボーン昭徳 安心で美味しい魚を届ける水産会社
約400年前に長崎県五島列島の海域にて驚異的な水揚げを誇っていた先人漁師達をルーツとする昭徳グループは、漁獲から製造・販売までを担う水産会社です。
佐賀県唐津市に拠点を置く「シーボーン昭徳」は、原料第一主義にこだわり、徹底した設備と最新技術を用いて旬の魚の加工販売を行っています。今回は所長の塚原さんと長谷川さんにお話を伺いました。
富栄海運有限会社唐津営業所シーボーン昭徳 取締役 唐津営業所所長 塚原 浩さん
富栄海運有限会社唐津営業所シーボーン昭徳 長谷川 志保さん
最新鋭の設備と品質管理の徹底。地元水産会社が取り組むべき加工販売
長崎県五島列島の浜串を母港とする昭徳丸船団は、大正7年に10人の熟練の漁師が結成した「十栄社」を起源としています。この海域で驚異的な水揚げを誇っていたことで『伝説の十字船団』と呼ばれていた歴代の漁師の知恵と技をしっかりと受け継ぎ、今もなお本当に美味しい魚だけを見極め、漁獲を行っています。
2015年3月竣工 第三十一昭徳丸
シーボーン昭徳が加工販売を始めたのは平成7年。PM2.5や黄砂といった異物の侵入を防ぐ造りと、最新の空調技術を用いて素材本来の旨味を最大限に引き出す天日干しハウスを所有しています。漁獲だけでなく、加工への徹底したこだわりは地元に根付く水産会社としての使命だと塚原さんはいいます。
「加工販売を始めた当時、唐津に水揚げしていた良質な魚のほとんどは地元に残らず、小田原や京都、築地など全国的に有名な市場へ送られていました。私はそこに疑問を抱き、唐津で水揚げされた良質な魚は、唐津で加工して全国へ広めていくべきではないか、と思うようになりました。
私たちには、先代の漁師が残した記録ノートというものがあって、どの船でどんな魚が獲れたか、その魚にはどういった味の特徴があるかなど、魚の特徴と漁場について事細かに残されているんです。
先人の意志を受け継ぎ、『玄人』として旬の美味しい魚を見てきた私たちだからこそ、"いい魚を届けたい"という想いが強く芽生えたのです。
社内の意識改革からスタートして10年、今では誰もが認める美味しい魚のみを天日干しや様々な商品に加工しています。調味料を使用する場合は添加物不使用・国産品質にこだわり、天日干しの味付けは、鮮度がいいからこそ天然の海水塩しか使用していません。」(塚原さん)
"旬の中の旬"を最高の状態で食卓に届けるために
一般的な魚の旬は数ヶ月とされていますが、「玄人」が認める本当に美味しい魚が上がる時期は、アジやサバだと年間に1~2週間しかありません。この時期になると自社のテストキッチンに集まり、毎日試食会をしてしっかりと味と質を確かめた上で、1年間分の魚を買い付けています。
塚原さんたちは、この一瞬を "旬の中の旬" と呼んでいて、玄人たちの目利きが試される1番の仕事だと話します。
「魚の鮮度は船に水揚げされた瞬間から落ちていくので、船ごとの実力の差が顕著に出てくるんです。私たちの所有する船では、船上に積んだ特殊な設備で魚の芯まで一気に冷やしこむので、魚市場で水揚げされた時にものすごく良い鮮度で揚がってくるんですよ。
買い付けた鮮度の高い魚は、マイナス25℃・5000トンの冷凍庫と唐津唯一と言われるマイナス60℃の超低温庫を使って保管しています。超低温庫は本来刺身用まぐろの保管用で、一般の加工業者はまず所有していないことから、『干物屋でここまでやるなんてバカじゃないか!』とよく言われます(笑)。
さとふるのお礼品はマイナス60℃の超低温庫で保管しており、漁獲日や海域、味わいの特徴をしっかりと記載して管理をしているので、最高の状態の魚を1年間通して皆さまの食卓に届けることができるんです。」(塚原さん)
原料第一主義を通して届いたお客様の声。唐津の魅力を全国へ
天日干しからスタートしたふるさと納税への出品の中でも、意外な反響を得たのが「切身ひと塩仕立て」シリーズだったと長谷川さんはいいます。長崎県五島・対馬の海で獲れた旬の魚を中心に、調理しやすい切り身に軽くひと塩をふり、真空パックにて新鮮な状態のままお届けするこの商品は調理の手軽さはもちろんのこと、様々な料理に活用したいという消費者のニーズを押さえた人気アイテムです。
また、対馬沖で漁獲される『紅瞳』という貴重な赤むつ(のどぐろ)を使用した「まるごと赤むつ」はお客様の声をきっかけに誕生しました。
「ひとつの商品を作るのには当たり前に時間とコストがかかります。『さとふる』の仕組みはお礼品の登録もスムーズなので、ここでの受注やレビューを参考に商品開発にチャレンジしています。
今回お出ししている『まるごと赤むつ』は、弊社で仕入れている赤むつの"美味しさ"を知ってもらうために絶対に実現したかった商品なんです。レビューを参考に、お客様が調理しやすいようにウロコやエラなどの下ごしらえも済ませ、あとは煮る・焼くだけの状態で真空パックにしました。
また、今お出ししている『無塩切身』シリーズは自社のカタログの方にも掲載する予定です。原料第一主義だからこそ味には自信があるものの、こういった試験的な取り組みからお客様の本当のニーズを探れるのはありがたいですね。」(長谷川さん)
「釣り赤むつの詰合せ」 レビューを参考に、長谷川さんが試行錯誤しながら商品化した
赤むつの他、真鯛のお礼品も新しく開発。「さとふる」の受注状況を見て、
自社カタログにどのように掲載するか検討するという
「それに、実際のレビューをいただくと泣けるくらい感動するんです。お魚を褒めていただくのはもちろん嬉しいのですが、『ふるさと納税で商品を注文したことをきっかけに唐津市のことを知って行きたくなった』というコメントもあって。唐津のことに少しでも興味を持ってもらえたと思うと地域に貢献できている実感が湧いてきます。」(長谷川さん)
「さとふる」で人気があり、レビュー評価の高い「旬魚のひと塩切身」
「真正直にお客様と向き合う企業でありたい。」と話す塚原さんと長谷川さん。美味しい魚を最高に美味しい状態で届けたい--お客様への想いと魚のプロとしての誇りをかけたまだ見ぬチャレンジに期待しています。