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2018/07/26

地元産品をフル活用、地域に新たな活力

マウニーテイル こだわりのピザ、獲れたてのウニを全国に

①三本杉岩.png

わっかけ岩の店舗の窓より見える三本杉岩

北海道の南西部、道南と呼ばれるエリアに位置するせたな町。日本海に面しており、海と山に囲まれ、豊富な農水産資源に恵まれています。町の中心部に近い海岸には3つの巨岩が連なる景勝地「三本杉岩」があり、付近の海水浴場には、夏に多くの観光客が訪れます。

その海水浴場に隣接する場所で、2011年にオープンしたお店が「わっかけ岩」です。1階は特産品売り場、2階は食堂になっており、地元の食材を使ったウニ丼やいくら丼、本格ピザブランド「PIZZAROCCIA(R)(ピザロッチャ)」などを展開し、多くのファンを獲得しています。同店の売上拡大の原動力の1つになっているのが、ふるさと納税の活用です。

閑散期の販路として、ふるさと納税を活用

「わっかけ岩」を運営するマウニーテイルの社長、齊藤正人さんは、せたな町の出身です。大学を卒業後、札幌の商社に3年ほど勤務した後、地元にUターン。実家が漁業者であることもあり、独立して「自分ができること」として海産物の加工・販売を始めました。そして、仕入れて売るだけでなく、オリジナルの商品開発にも乗り出し、さらには「わっかけ岩」をオープンして飲食業も始めたのです。

せたな町の人口は約8000人。観光客は訪れるものの、それは海水浴シーズンである夏がメイン。そうした場所でお店を営むためには、販路開拓が重要になります。商品の魅力を内外に広く発信するうえで大きな役割を果たしたのが、ふるさと納税です。

「冬は観光客が減少するため、わっかけ岩の繁忙期は5月~10月の半年間。そうした中で、ふるさと納税によるお礼品の提供は、冬期の販路にもなっています。また、町外の多くの人に届けられるので、アプローチできる顧客層が広がりました。『さとふる』は、お礼品の登録がしやすいため、テストマーケティングとしても非常に役立っています」(齊藤さん)

齊藤さんの元には、お礼品を受け取った地元出身の寄付者から電話や手紙で感想が届くこともあるといいます。地元産品を使ったこだわりの商品は、着実に支持を広げています。

②齋藤さん.png

マウニーテイル 代表取締役社長 齊藤正人さん

地域の事業者が連携し、6次産業化を実現

マウニーテイルが登録しているお礼品は、ウニやピザなど。ウニは「サイトウマサト水産」のブランド名で展開しており、天然の殻付き活ウニの詰め合わせを提供しています。

「わっかけ岩」の店長、東海林耕太さんは「ウニ漁があった日の獲れたてをお届けします」と商品の魅力を語ります。

③東海林さん.png

マウニーテイル わっかけ岩 店長 東海林耕太さん

「ウニは薬臭くて苦手という方もいますが、それは保存料が使われているからで、本物の鮮度の高いウニを食べたら、印象が変わると思います。当社がお届けするウニは、獲れたての濃厚な旨味に溢れていて、殻を割ってそのままお刺身でも良いですし、炭火に放り込んで焼きウニでも楽しめます」(東海林さん)

そうした新鮮な食材を仕入れられるのは、マウニーテイルがせたな町の多くの漁業者と協力関係を築いているからです。それは、水産物だけでなく農畜産物でも同様です。「PIZZAROCCIA」として展開するピザには、日本で初めて有機JAS認証を受けたフロマージュブランなど、地元・せたな町の素材が使われています。

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わっかけ岩の店内で食べられるマルゲリータ

マウニーテイルと同じく、「さとふる」でふるさと納税を活用している大津牧場もパートナーの1社です。大津牧場は化学肥料を一切散布せず、元気な牛のしぼりたての牛乳を使用してモッツァレラチーズなどを生産。ふるさと納税を活用する事業者どうしが連携し、地域の魅力を高めているのです。

齊藤さんは地元出身とはいえ、実家は漁業であり、「わっかけ岩」を始めた当初、せたな町の農業従事者や酪農家と特別につながりを持つわけではありませんでした。そこから1つ1つ地元の食材を開発・発見し、協力者を地道に開拓することで、「ここにしかない」の商品を実現させていきました。

齊藤さんは「せたな町はもともと、自分たちで加工・販売までを行う6次産業化が進んでいました。だから協力も得やすかったんです」と語りますが、ふるさと納税の活用は、事業者間の連携を促進する契機の1つになっています。

全国に町の魅力を伝え、地域の活力に

和洋問わず、せたな町産の食材を使って商品開発を続けているマウニーテイルですが、そこには独自のこだわりが貫かれています。例えば、ピザ釜は自分たちで一から手づくりし、焼き方も研究を重ねました。そして、生地を1枚1枚、薪釜で高温・短時間で焼くことで、焦げ目がカリッ、中身がモチッとした自慢のピザをつくり上げたのです。

⑤ピザの窯.png

お客さんからは「ここのマルゲリータを食べたら他のピザだと物足りない」という声が届くほどの完成度ですが、齊藤さん曰く「PIZZAROCCIAは、常に進化を続けるピザ」。今後は、自家栽培したトマトを使うことを計画するなど、さらなるクオリティを追求しています。

「PIZZAROCCIA」のピザは、食のイベントや物産展で販売するときもありますが、基本的には「わっかけ岩」の店舗やふるさと納税でしか手に入りません。

地元産品をフルに活用した商品は、ふるさと納税との親和性が高く、だからこそ全国の寄付者から支持を得やすいのでしょう。マウニーテイルは水産・農産の幅広い事業者と連携し、地元産品の6次産業化を推し進めることで、全国にせたな町の魅力を伝え、地域に活力をもたらす起点となっています。

⑥マウニ―テイルのお二人.png