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2024/08/16

障がい者が自立できる賃金保障を目指して

はらから福祉会 こだわりの牛たんお礼品で挑む、寄付増に向けた挑戦

宮城県柴田町は、仙台市から南へ25kmの場所に位置しており、全国屈指の桜の名所として有名な町です。今回話を伺ったのは、ふるさと納税で大人気の牛たんお礼品の製造を手がける社会福祉法人「はらから福祉会」です。事業所で働く障がい者の方々が自立できる賃金の保障を目指してあくなき挑戦を続ける、えいむ亘理 製造部長 小川 桂司さんに話を伺いました。

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障がいを有する者も、そうでない者も、同じ「はらから(同胞)」

社会福祉法人「はらから福祉会」は、障がいにより一般就労が難しい方でも安心して働くことができる、障がい者就労継続支援B型事業所を運営しています。現在事業所は8か所あり、事業所ごとに「牛たん」「豆腐」「油揚げ」「パン」など様々な製品を生産しています。

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事業所の様子

1983年、はらから福祉会の前身である無認可の作業所「はらから共同作業所」が開所されました。障がい者が自立するための第一歩は「働く場」を作ることだと考え、障がい者6名と養護学校の教員が中心となり陶器づくりを始めました。その後、1996年に社会福祉法人「はらから福祉会」を設立認可施設として、現在の8事業所の一つ「蔵王すずしろ」が誕生。その後次々に事業所を開設し、障がい者の働く場を作ることを実現してきました。

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蔵王すずしろ

そんな「はらから福祉会」の名前にはどんな思いが込められているのでしょうか。

「はらからは『同胞』を意味します。障がいを有する者も、そうでない者も、同じ『腹から生まれた、兄弟姉妹』であるという意味が込められおり、たとえどんなに障がいが重かったとしても、"働きたい、働いて手にした給料で自分らしい生活を送りたい"という障がい当事者の願いに応えることを大切にしています」

ふるさと納税で大人気の「はらからの逸品 牛たん」

8つの事業所の中で、小川さんが製造部長を担っている事業所「えいむ亘理」では牛タンの加工を行っています。

「はらからの逸品 牛たん」シリーズは、2020年以降のふるさと納税の出荷分のみで、累計10万個を超える大人気お礼品です。「さとふる」の宮城県お礼品人気ランキングでも、2016年から8年連続で5位以内にランクインするなど、安定的な人気を誇っています。

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レビューは1,500件を超え、評価は★4.6を獲得している ※2024年7月末時点

「はらからの逸品 牛たん」は、牛たんの旨味たっぷりの成牛と、繊細で柔らかな仔牛がセットになっています。厚さは牛たんの美味しさを最大限引き出すこだわりの厚み、約7mmにスライス。冷凍真空パックになっており、解凍して焼くだけで、自宅で簡単に絶品牛たんを味わうことができます。

「『はらからの逸品 牛たん』は、独自製法で秘伝の味付けをし、厳密な温度管理の下で最大6時間かけて味付けを浸透させています。次に約120時間かけて低温熟成させ、肉本来の旨味を十分に引き出します。その後は冷凍しスライスするのですが、解凍した際にドリップが出ないよう、真空後は急速冷凍にて凍結をし、肉の旨味を逃さないようにしています」

成牛たんは肉質と味わいの安定性で評価の高いオーストラリア産を主に、仔牛たんは高品質で評価の高い酪農王国オランダ産を採用しており、その時その時で一番良いものを厳選して調達しているそうです。

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こだわりの厚み、約7mmにスライス

また、外装のこだわりについても教えてくれました。

「『美味しいからギフトにも利用したい』といった嬉しいお声を受け、化粧箱で提供しています。高級感のある和紙のような織布を使うなど生地にもこだわっています。」

小川さんが自ら千葉の印刷工場まで出向き、デザイナーと色味から調整するなど、一から決めていったそうです。自分へのご褒美に頼んだ方も、贈り物として受け取る方も、高級感のある化粧箱で届いたら、食べる前からワクワクが倍増しそうですね。また、250gずつの小分けになっているのも嬉しいポイントです。

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 撮影の様子。高級感のある外装。

世のため、人のために働きたい

そもそも小川さんはなぜ、はらから福祉会で働くことになったのでしょうか。そのきっかけについて伺いました。

「牛たんの加工は付加価値が高く技術が必要なため、職員や障がい者が一から始めるには難易度が高いんです。なので、はらから福祉会は牛たんを取り扱う食品会社から職員5名を派遣し、そこから牛たんを仕入れることで加工を始めました。実は、私はその派遣された職員のうちの一人だったんです。その後、2年ではらから福祉会と食品会社の関係が解消されることになったのですが、当時の理事長の声かけで、私ははらから福祉会に残ることにしました」

もともと牛たんを取り扱う食品会社の職員として派遣されたのがきっかけだったのですね。ではなぜ、はらから福祉会に残るという決断に至ったのでしょうか。

「当時の理事長の思いに感銘を受けました。民間企業で働いていたので福祉は全く別の業種でしたが、派遣されて利用者さんと共にした2年間はとても良い刺激となりました。はらから福祉会は『利用者さんのため』に仕事をし、障がいがあったとしても皆が楽しく、難しい作業にもチャレンジしている姿は民間企業で働いていた私には衝撃的でした。職員は給与固定のため、頑張った分は自分には返ってきませんが、その分利益が利用者の給与に反映されます。とても迷いましたが、世のため、人のために働きたいと思い、はらから福祉会に残ることに決めました。利用者さんや親御さんに『生活が良くなった』『部長が来てくれてよかった』などと言ってもらえると、この選択をして良かったと思います」

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はらから福祉会の皆さん

それからは「はらからの牛タン」の売上を伸ばすためにはどうしたら良いのかを考え、お礼品の開発や改善を行ってきたそうです。現在最も人気を集めているお礼品「はらからの逸品 牛たん 1kg」もこの時に誕生しました。その他にも、様々なニーズを想定し、300g・400g・500gなど容量違いのお礼品を開発したり、お礼品をより魅力的に見せられるよう自ら写真撮影をしたりと画像の改善などを行いました。

迷ったら一歩前へ

はらから福祉会の牛タンが柴田町のふるさと納税のお礼品として採用されたのは2015年のことでした。

「当時は、ふるさと納税の仕組み自体よく分からない状態でしたが、始めてみて、こんなに需要があるのかと正直驚きました。現在は全体の売上の9割をふるさと納税が占めるほど、とても大事な販路となっています」

一方でこんな話もしてくれました。

「ここ数年は物価高の影響などもあってか、寄付者のニーズが少しずつ変わってきているように感じます。現状に満足せず時代の変化に合わせて、進化をし続けなければいけないと実感しています」

最後に今後の目標について伺いました。

「現在、一番好調だった時期と比較すると寄付が落ち込んでしまっている状況なので、まずは当時の売上に戻し、利用者さんの工賃アップを実現したいです。そのためには、新たなヒット商品の開発が必要だと思っています。はらからのモットーは『迷ったら一歩前へ』です。『やらないとわからないならやってみる』という姿勢を大切に、今後も新しいことにチャレンジしていきたいです」

直近では、仔牛牛タンのブロック肉を寄付者が自分で好きな厚さに切って楽しめる「はらからの逸品 仔牛のたん クラウンカット 1本」を新たに開発し、寄付の受付を開始しました。すでに高評価レビューが多数ついており、「部位ごとの食感が楽しめて良い」「分厚くカットしても柔らかい」などといった声が聞かれました。

お礼品ページ2_RS.png

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お礼品ページには多くの高評価レビューが寄せられている

また、今後は牛たんを縦にカットした牛たんステーキや、壺カルビならぬ壺仔牛牛たんなども考えているそう。さらに牛タンと牛肉のセット商品などのお礼品なども検討していきたいと話してくれました。

小川さんのアイデアと、はらから福祉会の牛タンの魅力が詰まった新商品にも注目です。

最後に寄付者の方へコメントをいただきました。

たとえ障がいがあったとしても地域貢献

はらから福祉会は、ふるさと納税を通じて、柴田町への地域貢献と、障がいのある方が地域で自立した生活を送れるように工賃(賃金)向上を行っております。今後もより良い商品を皆さまに届けられるように、そして障がいのある方の所得保障ができるように、魅力ある商品をつくり、障がいがあっても、働くことで自立と社会参加、社会的役割の創出を目指します。

理事長 太田 幸二

はらから福祉会のお礼品はこちら