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2018/10/01

マイナスをプラスに!捨てられていた農作物から、世界的評価を受ける"おみやげ"を生み出す

マツザワ 地域に密着した商品を企画販売

1 市田柿のカーテン.png

柿を吊るして干し柿にするのは、市田柿作りに欠かせない過程

「地域密着こそが『おみやげ』づくりの第一歩」と考え、商品開発を続ける企業があります。長野県の高森町に本社を置き、国際的評価も高い『りんご乙女』など様々な商品を手がける株式会社マツザワです。取締役である森本さんにお話を伺いました。

地域の特産品『市田柿』の皮が、コスメに変身

「マツザワが創業した1959年当時、この地域では『山ごぼうの味噌漬け』を県の奨励品として百貨店などに向けて販売していました。このとき、ごぼうの端の部分は商品にならず捨てられていたのですが、それをマツザワの創業者が買い上げて商品化したところ、口コミで人気が広がり、今の会社の礎ができました。」(森本さん)

2 森本さん.png

株式会社マツザワ 森本康雄さん

このように、マツザワでは創業以来、地元産のものに付加価値をつけておみやげとして販売する事業を続けています。地域を代表する特産品である干し柿『市田柿』から新たに開発した『市田柿フェイシャルマスク』も、そのひとつ。

「市田柿は、皮を剥いて加工をするものですから、どうしても皮が大量に余ってしまうんです。今はJAさんが地域の農家さんから柿を引き取って加工しているのですが、1日に数トン単位の皮が出るため、産業廃棄物として費用をかけて処理しなくてはなりません。

そこで、あるときJAさんから、『皮を使って何かできないか』と相談をされたのですが、食品にするには渋みが強く難しい。どうすべきか考えたところ、化粧品として利用することを思いつきました。柿の渋みを生むタンニンはポリフェノールの一種ですから、抗酸化作用があり美容効果が期待できます。この成分を活かしたフェイシャルマスクを開発したんです。」(森本さん)

3 市田柿マスク.png

「さとふる」で寄付をすると、市田柿フェイスマスク3枚入が3箱届く

捨てられていたりんごで、世界的評価を得る

マツザワでは数多くの"おみやげ"を手がけていますが、そのなかでもロングセラーとなっているのが、『りんご乙女』です。スライスした生のりんごを生地の上に乗せて焼き上げた薄焼きのお煎餅であり、味覚に特化した食品コンテストである『iTQi国際優秀味覚コンテスト』において、10年連続で最高の三ツ星受賞という偉業を達成しました。

「実は『りんご乙女』も、市田柿と同じように、かつては捨てられていたものを有効活用しています。農家さんがりんごを育てる過程で間引きし廃棄していた『摘果りんご』を買い取って加工しているんです。

もともと『りんご乙女』の製造をはじめた頃は、東北からジャムなどに加工する小さなりんごを仕入れて使用していました。もちろん地元のりんごを使いたかったのですが、こちらでは生食用の大きなリンゴが作られているので、『りんご乙女』の規定サイズには収まらず......。

でも、『りんご乙女』はおみやげとして販売する商品ですから、なんとか地元のリンゴで作りたいという想いが捨てきれず、農家さんやJAさんに相談したところ、『摘果リンゴ』を教えてもらいました。これがまさに求めているサイズのもので、今では年間100トンほどの摘果りんごを地元の農家さんから買い取っています」(森本さん)

4 りんご乙女.png

『iTQi国際優秀味覚コンテスト』において、
10年連続で最高の三ツ星受賞しているりんご乙女

ふるさと納税が高森町と全国を結ぶ

マツザワのこうした商品開発によって、「地元の農家さんの手取り収入の増加にもつながっている」と話す森本さん。新たに、ふるさと納税のお礼品として商品の提供をはじめたことで、地域経済のさらなる活性化が期待されます。

「これまで、私たちが扱う商品の販路は道の駅やお土産屋さんなどが主で、地域に来ていただいた方へ販売するケースがほとんどでした。でも、ふるさと納税のお礼品としたことで、販路が全国に広がりました。注文が入ったものを発送するという手順なので、事業者としても取り組みやすかったです。高森町に寄付をしてもらって、高森町の事業者である私たちがお礼品を提供するわけですから、私たちのビジネスモデルとふるさと納税制度の相性もいいと感じています。

その「ふるさと納税の仕組み」最大の良い点と感じているのが、『地域の特産品に触れるハードルを下げた』ということです。金銭的なハードルもそうですが、『さとふる』ではシンプルな動線で手軽に寄付ができますからね。実際、『さとふる』のレビューを見ていると、『商品は知っていても買えなかったものを試すことができた』というものもありました。

たとえば『市田柿フェイシャルマスク』は、3シートで1000円を超える商品ですし、化粧品ですから初めての方には手を出しづらい面があるかもしれません。それでも、高森町への寄付を通じて商品を気軽に試してもらえるようになったことで、その後リピーターになってくれている方もいるようです。

このように、ふるさと納税は私たちが扱う様々なおみやげを知ってもらう良い機会ですから、お礼品のパッケージも常に工夫しています。今後は、地域紹介のパンフレットの同梱などを検討し、ふるさと納税をきっかけに『高森町に行ってみたい』と思ってもらえるようになると嬉しいですね。地域で生まれたものにアイデアで付加価値をつけ、消費者の方にお届けすることで、地域をより良くしていく。そこに私たちの役割があると思っています。」(森本さん)

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株式会社マツザワ 下井泉さん(左) と 森本康雄さん(右)